藤女子短期大学

藤女子短期大学 概要

藤女子短期大学（ふじじょしたんきだいがく、英語: Fuji Women's Junior College）は、かつて北海道札幌市北区に本部を置いていた日本の私立短期大学です。学校法人藤学園によって設置・運営されていました。略称は藤短大です。

この短期大学は、第二次世界大戦後の学制改革を経て、国内で初めて認可された短期大学149校の一つとして、1950年に開学しました。設置当初は3学科体制でしたが、その後学科が増設され、最終的には4学科体制となりました。半世紀以上にわたり女子高等教育の機会を提供してきましたが、1999年度の入学生を最後に学生募集を停止し、2001年にその歴史に幕を下ろしました。

沿革

藤女子短期大学のルーツは、1925年にドイツのフランシスコ修道女会によって創立された札幌藤高等女学校に遡ります。この伝統を受け継ぎ、キリスト教の思想に基づく教育を特色としていました。

具体的な短期大学としての設立準備は1949年に始まり、同年10月には文部省に設置認可申請が行われました。申請時の学科構成は家政学科、国文学科、英文学科の3学科で、それぞれ入学定員50名でした。

翌1950年3月14日、文部省より設置が正式に認可され、同年4月1日に藤女子短期大学として開学しました。開学当初は申請通りの家政学科、国文学科、英文学科の3学科でスタートしました。

学校法人藤学園の設置が認可されたのは1951年2月24日です。

学科の拡充も進められました。1952年4月1日には家政科の入学定員が50名から100名に倍増され、1955年4月1日には保育科（入学定員35名）が新設され、4学科体制となりました。

その後も段階的に定員増が行われ、1966年4月1日には家政科が100名から200名へ、国文科・英文科がそれぞれ50名から100名へ、保育科が35名から50名へと、全学科で定員が大幅に増加しました。

1960年3月21日には別科として家政専修（入学定員50名）が設置されています。

学科内部の構成も変化しました。1976年4月1日には家政科が家政専攻（入学定員150名）と食物栄養専攻（入学定員50名）に分離されました。しかし、時代の変化に伴い、1991年4月1日には家政科食物栄養専攻の学生募集が停止され、翌1992年4月1日には家政科家政専攻の入学定員が150名から100名に削減されました。さらに1994年4月1日には、家政科が生活学科へと名称を変更しました。

短期大学としての役割を終えることとなり、1999年4月1日を最後に学生募集を停止しました。そして、2001年7月30日をもって正式に廃止されました。

教育と研究

藤女子短期大学では、以下の学科が設置されていました。

国文科 (入学定員100名)
英文科 (入学定員100名)
家政科（のちに生活学科へ改称）
家政専攻 (入学定員150名 → 100名)
食物栄養専攻 (入学定員50名)
保育科 (入学定員50名)

家政科（後の生活学科）は開学時からの学科であり、当初は家政専攻と食物栄養専攻に分かれ、それぞれ生活経営、食物、被服といった専門分野別のコースが設けられていましたが、生活学科改称後はこれらの内容を統合した教育が行われました。保育科では、将来保育者を目指す学生の育成に力が入れられ、学生による紀要『保育科学生紀要』も発行されていました。

また、別科として家政専修（入学定員50名）も設けられていました。

取得可能だった資格

学生は卒業要件を満たすことで、以下の資格取得を目指すことができました。

保育士：保育科
栄養士：家政科食物栄養専攻
中学校教諭二種免許状：国文科（国語）、英文科（英語）、家政科家政専攻/生活学科（家庭、保健）
幼稚園教諭二種免許状：保育科

開学当初は高等学校教諭免許状（家庭、国語、英語）の教職課程も設置されていました。

研究活動

本学では、教員や学生による研究活動の成果として、『藤女子短期大学紀要』や機関誌『ふじ』が発行されていました。

学風

本学の教育理念は、母体である札幌藤高等女学校の創立精神を受け継ぐキリスト教思想に基づいています。この精神に則り、知識の習得だけでなく、豊かな人間性を育む教育が行われていました。

施設

キャンパスは主に2か所に分かれていました。

札幌キャンパス (北海道札幌市北区北16条西2-21)：国文科、英文科、保育科の学生が使用していました。
石狩キャンパス (北海道石狩市花川南4条5)：生活学科の学生が使用していました。

学生寮として、藤女子大学と同様に「カタリナ寮」が設置されていました。

系列校と卒業後の進路

藤女子短期大学は、学校法人藤学園が設置する様々な教育機関の一つでした。主な系列校には、藤女子大学、藤女子中学校・高等学校、そして札幌藤幼稚園をはじめとする複数の幼稚園があります。

卒業生には、系列の藤女子大学への編入学の実績がありました。また、家政専攻（生活学科）の卒業生が、短期大学内の他の学科（国文、英文、保育）に改めて入学する事例も見られました。

藤女子短期大学は、その短い歴史の中で、多くの女性たちが専門知識を修得し、社会に貢献するための基盤を築く場となりました。

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