藤山晃太郎

藤山 晃太郎（ふじやま こうたろう）は、1977年12月24日生まれ、千葉県君津市出身の人物です。かつては伝統的な日本の奇術である「手妻」（文化庁が記録作成等の措置を講ずべき無形文化財に指定）の数少ない継承者として知られたマジシャンでしたが、現在はバーチャルリアリティ（VR）関連事業を手掛ける企業の代表取締役を務めています。

手妻師としての経歴

千葉大学在学中にマジックサークルに入会したことをきっかけに、奇術の世界に進みました。2002年には手妻の大家であり文化庁芸術祭大賞を受賞した藤山新太郎氏に師事し、その一番弟子となります。また、同時期に藤間流の藤間豊治氏にも師事し、日本舞踊も学びました。

修行を経て、2003年にはマジックの本場として名高いロサンゼルスの「マジックキャッスル」への出演を果たし、同年、一般社団法人日本奇術協会に入会しています。2006年には三越劇場にて出世披露を行い、「藤山」姓を襲名しました。藤山新太郎氏の弟弟子にあたる藤山大樹氏も同じ門下でした。

藤山晃太郎氏は、手妻師として高い評価を受けました。2010年から4年連続で日本奇術協会が選出する「ベストマジシャン」第1位に輝くなど、その実力は広く認められていました。

また、インターネット上での活動も積極的に行い、特に動画共有サイト「ニコニコ動画」では大きな注目を集めました。2009年から投稿を開始し、2011年に投稿した動画『仏曲演奏 『法界唯心』』は同年のニコニコ動画アワードで審査員賞（岩崎貴久賞）を受賞し、当時58万回再生を記録するなど大きな反響を呼びました。2014年のニコニコ超会議3にも出演しています。

活動の転換

藤山晃太郎氏は藤山新太郎氏の一番弟子として将来を嘱望されていましたが、後継に関する問題を背景に師の一門を離れることとなります。これに伴い、手妻師としての活動に区切りをつけ、マジシャンとしての芸名である「藤山晃太郎」を封印し、本名である「安藤晃弘」として新たな道を歩み始めました。かつての手妻師時代の公式サイトは現在、その役割を終えています。

現在の活動

手妻師を引退後、安藤晃弘氏として藤山晃太郎氏はバーチャルリアリティ分野に活動の軸を移しました。特に、VR技術を活用した乗馬体験アトラクション「Hashilus」のプロデュースを手掛け、株式会社ハシラス（Hashilus Co.Ltd.）を設立し、その代表取締役に就任しました。

現在は、Hashilus Co.Ltd.の代表として、VR技術のさらなる発展と普及に向けた事業に精力的に取り組んでおり、VR業界のキーパーソンの一人として活躍しています。

このように、藤山晃太郎氏は伝統芸能である手妻の世界で高い評価を得た後、バーチャルリアリティという最先端技術の分野へと活動の場を大きく転換させ、新たなキャリアを築いています。彼の経歴は、分野を超えた才能の可能性を示しています。

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