藤川黎一

藤川黎一（ふじかわ れいいち）は、1946年生まれの日本の作家です。彼は、特に映画プロデューサーであり、黒澤明監督作品にも携わった本木荘二郎の評伝作家として知られています。

生い立ちと学歴

藤川は、東宝に勤務するサラリーマンの父親の影響で、幼い頃から映画に親しんで育ちました。映画館に無料で出入りできた環境で、数多くの映画を鑑賞しました。早稲田高等学校に進学するも、成績不振のため約1年で中退。その後、聖パウロ学園高等学校に再入学し、早稲田大学文学部日本文学科に進みました。大学時代には、西村朝日太郎に師事し、遺骨収集の学術調査でニューギニアへ派遣されるという経験もしています。

大学時代のエピソード

ニューギニアからの帰路、藤川はジャカルタで朝日新聞社の駐在記者と激しい口論を繰り広げました。この事件は、朝日新聞社から早稲田大学へ抗議文が送られる事態に発展しました。藤川自身は、この口論の原因は記者の非協力的な態度にあったと主張しています。

評伝作家への転身

大学を中退後、26歳から27歳の頃に父親を亡くし、多額の遺産を相続しました。1982年から1983年頃、自由社の就職試験を受けた際、石原萠記から「あなたは勤め人ではない、書く人だ」という言葉を受け、本木荘二郎の評伝執筆を決意しました。

新聞の拡張員や集金人として働きながら取材を重ね、1984年に『虹の橋 黒澤明と本木荘二郎』を刊行しました。この作品は、黒澤明監督作品にも携わった本木荘二郎の人物像に迫った評伝として、高い評価を得ました。

著書

『虹の橋 黒澤明と本木荘二郎』田畑書店、1984年
『黒澤明vs.本木荘二郎 それは春の日の花と輝く』論創社、2012年

参考文献

『噂の真相』1983年11月号 石村義一「黒澤明の影武者・本木荘二郎を描いた新刊本の舞台裏」
『リベラルタイム』2012年7月号 「花田紀凱の血風録 : あの人、あの事件(133)藤川黎一 映画プロデューサー 本木荘二郎を追い続ける男」


藤川黎一は、その波乱に満ちた人生経験と、本木荘二郎への深い探求心を通して、独自の視点を持つ作家として活動を続けています。

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