藤巻裕蔵

藤巻裕蔵：日本の鳥類学における貢献

藤巻裕蔵（ふじまき ゆうぞう、1938年12月23日生まれ）は、日本の鳥類学において多大な貢献をしてきた人物です。帯広畜産大学名誉教授、山階鳥類研究所特任研究員という肩書を持ち、農学博士としての深い知識と研究に基づいた業績は、日本の鳥類学研究の発展に大きく寄与しました。東京都で生まれ、北海道大学で農業生物学を修めた後、北海道立林業試験場での研究を経て、帯広畜産大学で長年にわたり教鞭を執り、後進の育成にも尽力しました。

研究活動と業績

藤巻裕蔵の研究は、鳥類を中心とした野生動物の生態、行動、分布に関するもので、特に北海道における鳥類相の解明に力を注ぎました。詳細な観察とデータ分析に基づいた研究は、国内外の学会で高く評価されています。

主要な研究テーマ

鳥類の生態と行動: 特定の鳥種の繁殖生態、食性、生息環境など、詳細な生態学的研究を行いました。
鳥類の分布: 北海道を中心に、鳥類の分布状況を調査し、その変化を記録しました。特に、環境変化が鳥類の分布に与える影響について考察を深めました。
個体群動態: 鳥類の個体数変動の要因を解析し、保全対策の基礎となる情報を提供しました。

著書と論文

藤巻裕蔵は、多数の著書と論文を発表しており、その研究成果は広く公開されています。以下はその一部です。

翻訳:
Godei Fedorovich Bromlei著『南部シベリアのヒグマとツキノワグマ』
V. A. Nechaev著『南千島の鳥類』
V. A. Nechaev著『南千島鳥類目録：国後,択捉,色丹,歯舞』
V. A. Nechaev著『サハリンの鳥類』
著書:
『鳥類・哺乳類ロシア語辞典』
『北海道鳥類目録 改訂4版』
論文:
「モユルリ島の海鳥類」
「北海道稚咲内におけるミコアイサの蕃殖」
「ヒメネズミの個体群構成の季節的変化について」

これらの著書や論文は、鳥類学の研究者にとって貴重な資料となっており、現在でも広く参照されています。

社会的貢献

藤巻裕蔵は、研究活動に加えて、鳥類保護のための啓発活動にも熱心に取り組みました。講演会や観察会などを通じて、一般の人々にも鳥類の魅力を伝え、自然保護の重要性を訴えました。

受賞歴

山階芳麿賞 (2000年): 鳥類学研究における長年の功績が認められ、受賞しました。
環境省環境保全功労者表彰 (2002年): 環境保全に貢献したことが評価され、表彰されました。

所属学会・団体

日本鳥学会
日本野鳥の会
日本白鳥の会
* 日本オシドリの会

これらの学会や団体での活動を通じて、鳥類学の発展と鳥類保護に貢献しました。

藤巻裕蔵の研究は、鳥類学の発展に大きく貢献しただけでなく、自然保護の重要性を広く社会に認識させる上で重要な役割を果たしました。その功績は、今後も長く語り継がれることでしょう。

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