藤村修三

藤村 修三

藤村 修三（ふじむら しゅうぞう）氏は、日本の経営学者であり、現在、東京工業大学大学院イノベーションマネジメント研究科の教授を務めています。1955年に生まれた藤村氏は、イノベーション論および研究開発（R&D）戦略を専門としており、企業における実践経験と学術研究を融合させたユニークな視点を持っています。

経歴

藤村氏のキャリアは、まず科学技術分野からスタートしました。1978年に千葉大学理学部物理学科を卒業後、同年富士通株式会社に入社します。富士通およびその研究部門である富士通研究所において、長年にわたり半導体プロセスの研究開発に深く携わりました。最先端技術開発の現場で培われた経験は、その後の研究者としての活動の基盤となっています。

企業での職務と並行して、教育活動にも関わります。1993年に千葉大学大学院自然科学研究科博士（工学）課程を修了すると、同年および1995年には母校である千葉大学で非常勤講師を務めました。さらに1996年には、武蔵工業大学（現在の東京都市大学）でも非常勤講師として教鞭を執り、次世代の育成に貢献しました。

1998年には、キャリアにおいて大きな転換期を迎えます。米国カリフォルニア州にて、新たな技術系企業であるJLM Technologiesの設立に参画しました。同年富士通を退社し、1999年にはJLM Technologiesが改称したANNEAL Corp.の最高技術責任者（CTO）に就任し、経営の視点から技術開発をリードする経験を積みました。

米国での企業経営経験を経て、再び日本の学術界に戻ります。2002年、一橋大学イノベーション研究センターの寄付研究部門客員教授に着任。ここでは、企業イノベーションに関する研究活動を本格的に開始しました。

そして2005年4月からは、東京工業大学大学院イノベーションマネジメント研究科の教授として、現在に至るまで活発な研究・教育活動を行っています。企業での技術開発、米国でのベンチャー経営、そして大学での研究・教育という多岐にわたる経験は、藤村氏のイノベーションに関する研究に深みを与えています。

専門分野と研究

藤村氏の専門は、イノベーション論とR&D戦略です。特に、技術進化がどのように産業構造や企業の競争力に影響を与えるか、また、企業が持続的な成長を達成するためにはどのような研究開発戦略が必要かについて深く探求しています。半導体分野での実務経験は、理論だけでなく、技術開発の現場における課題や機会を理解する上で非常に重要な要素となっています。この経験に基づき、技術と経営の橋渡しをする研究を展開しています。

著書・論文

主な著書として、『半導体立国ふたたび』（日刊工業新聞社、2000年）があります。この著書は、日本の半導体産業の現状と将来について論じたもので、多くの読者に関心を持たれました。この他にも、専門分野に関する多数の論文を発表し、学術的な貢献を行っています。（具体的な論文名は入力情報にありません）

受賞歴

藤村氏はその研究開発および著作に対して、複数の重要な賞を受賞しています。

第56回科学技術庁注目発明（1997年）：半導体装置の製造装置および製造方法に関する発明が注目されました。
第1回日経BP BizTech 図書賞（2001年）：著書『半導体立国ふたたび』が、技術経営分野の優れた図書として評価されました。
* 東工大教育賞（2010年）：東京工業大学での教育活動における貢献が認められ、受賞しました。

これらの受賞は、技術開発者、著述家、そして教育者としての藤村氏の多様な功績を示しています。

外部リンク

藤村氏の研究活動に関する詳細や最新の情報は、東京工業大学の藤村研究室のウェブサイトで確認することができます。

• ---

もう一度検索