藤沢モノレール

藤沢モノレールの計画概要

藤沢モノレールは、神奈川県藤沢市にて計画されたモノレールであり、実際の建設には至らず、計画段階で終わってしまいました。本プロジェクトは1973年に初めて提案されたものの、その後も数回にわたる計画の見直しや新たな提案が行われましたが、これも実現には結びつきませんでした。今回は、藤沢モノレールの二つの主要な計画について詳しく見ていきます。

1973年計画

藤沢市の都市計画事業の一環として、湘南ライフタウン（当時の名前は西部ニュータウン）の交通問題を解決するために、藤沢モノレール建設の提案が行われました。1973年9月、湘南モノレール株式会社と日本モノレール開発株式会社の共同により、具体的な運行計画が作成されました。この計画では、藤沢モノレールの事業主体を第三セクターと想定していました。

しかし、この計画は朝と夕の通勤・通学者に利用が限られることから、採算が取れないとの理由で、実際には着工に至らずに廃案となりました。

想定されていた車両と運行内容

計画当初は、2両連結の6編成で運行されることが想定されており、各編成の最大乗客定員は340名でした。路線全長は約5km、運行速度は時速30kmを見込んでいました。また、始発から終着駅までの所要時間は約10分とされており、通常時間帯では12分間隔で、ラッシュ時には6分間隔での運行が予定されていました。

予定されていた路線

提案された路線は、辻堂駅から神台2丁目駅、ゴルフ場駅、ニュータウン入口駅、大庭台第1駅、大庭台第2駅、羽根沢駅、遠藤駅、そして矢向駅に至るまでのものでした。

低廉化システム計画

1975年度及び1976年度には、藤沢市において公共交通機関のさらなる調査が進められ、「西部開発線」という名称で都市モノレールなどの導入について検討が行われました。この際、藤沢市は都市モノレールというよりも、新たな交通システムの導入を意図していましたが、日本モノレール協会が藤沢市に対して湘南ライフタウン間の都市モノレール導入を提案しました。この提案は、1982年7月時点で「藤沢市モノレール低廉化システム計画」として正式に公表されました。

計画の詳細

この計画では、辻堂から湘南ライフタウンまでの約5.0kmの路線を懸垂式のモノレールとして設計し、起点と終点を含み7駅が設置される予定でした。全線が複線化され、直流1500Vによる電化方式が採用されることになっていました。車両は3両編成のもので、定員は合計222名となる見込みでした。運行の最小間隔は4分、速度は約30km/hが想定されていました。

駅の配分

提案された駅の具体的な位置としては、辻堂駅北口バスターミナル、羽鳥一丁目バス停、有藤バス停、南センター前バス停、ライフタウン中央バス停、滝の沢バス停、そして湘南ライフタウンバスターミナルが挙げられています。特に、南センター前バス停は住宅地近くに位置しており、利用者にとって便利なアクセスとなることが期待されました。

結論

藤沢モノレールは、計画としては非常に具体的であったものの、利用者需要や採算性により、残念ながら実現に至ることはありませんでした。都市交通の発展を目指したこれらの努力は、地域の交通問題解決に向けた新たな試みを示す一つの事例として、今後の計画に活かされることが望まれます。

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