藤田航生

藤田 航生（ふじた こうき）の経歴と現在

藤田航生は1997年12月11日に青森県弘前市で生まれた元プロ野球選手で、現在は理学療法士として活動しています。彼は左投げ左打ちの選手であり、青森県には彼の野球の原点があります。

プロ入り前の経歴

藤田は中学生のころから硬式野球を始め、弘前シニアチームに所属しました。しかし、青森県立弘前工業高等学校では甲子園には出場することはありませんでした。ところが、彼の高校時代の通算奪三振率は11.65と高いもので、野球の実力をしっかりと見せていました。

2015年10月12日、藤田はプロ野球ドラフトで埼玉西武ライオンズから9巡目で指名を受け、契約金1,000万円、年俸500万円で仮契約を結びました。このとき、背番号は67に決まりました。

西武ライオンズ時代

プロとしてのスタートを切った藤田は、初年度の2016年には二軍で1試合の登板にとどまりました。その後の2017年も一軍登板はなし、二軍では3試合の登板を果たし、防御率は18.00という厳しい結果に終わりました。藤田はその後、イップスの症状に悩むことになります。

2018年5月には投球スタイルをスリークォーターからサイドスローに変更します。2018年の二軍公式戦では13試合に登板し、防御率4.15を記録し、ようやく持ち直しを見せます。2019年には27試合に登板し、1勝1敗、防御率5.87という成績を残しました。同年末には一般女性と結婚しました。

ですが、2020年には二軍で8試合の登板にとどまり、防御率は13.50と成績は振るわず、結局一度も一軍に上がることなく、11月3日に現役引退を決意しました。

現役引退後の活動

藤田はプロ野球を辞めた後、イップスという大きな壁について公に言及しました。高校時代の怪我を機に理学療法士を目指す決意を固めた彼は、引退後にその志を実現するために動き出します。2021年4月から埼玉県の専門学校に通い始めます。この間、昼間は株式会社スマイルランドに勤務し、社会人としてのマナーや経験を積んでいます。

2022年5月には、俳優の玉木宏がセレモニアルピッチを担当した「ライオンズ獅子女デー」では、ランボルギーニを運転し、玉木をマウンドまで送るという特別な役割も果たしました。

2024年3月には専門学校を卒業し、同月に理学療法士国家試験にも合格しました。従来の野球に続き、理学療法士として新たなスタートを切ることになり、勤務先となった西武では理学療法士補佐として経験を積むこととなります。

選手としての特徴

藤田の特長は、最速140 km/hの直球と、変化球としてのスライダー、チェンジアップ、そして縦に割れるカーブを投げるスキルにあります。しかし、イップスという心理的な障害によって、キャリアの最終段階では球速が100 km/hを下回ることや、打者の背中を超える投球をしてしまうことが多くなり、非常に苦しい日々を過ごしました。そのため、藤田自身もトレーニングを行ってイップスを克服しようと奮闘し続けたのです。

こういった苦しみは彼にとって大きな教訓となり、理学療法士として人を支えたいという思いを強く抱くようになりました。藤田航生は今後、過去の経験を活かし、多くの人々に希望を与える存在となることでしょう。

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