虎ノ門法律経済事務所

日本の法律事務所であり、「とらのもんほうりつけいざいじむしょ」と読む。複数の組織形態を持ち、具体的には組合としての虎ノ門法律経済事務所と弁護士法人TLEO虎ノ門法律経済事務所が一体となって多様なリーガルサービスを提供している。

この事務所の大きな特徴は、弁護士だけでなく、税理士、司法書士、行政書士、社会保険労務士、土地家屋調査士といった幅広い分野の法律・経済に関する専門家が多数所属し、連携して業務にあたる「ワンストップ型」の総合事務所であることだ。これにより、依頼者は一つの窓口で、様々な専門知識や手続きが必要となる複雑な問題にも対応してもらうことが可能となっている。特に、他士業が多数所属するワンストップ型の法律経済的事務所としては、日本国内で最大級の規模を誇る。

沿革

その源流は、1972年（昭和47年）4月に千賀修一氏によって創設された千賀法律事務所に遡る。設立当初は弁護士事務所としてスタートしたが、時代が進むにつれて専門家間の連携の必要性が高まり、組織の拡充が進められた。

1982年（昭和57年）1月には、弁護士に加え税理士、司法書士、土地家屋調査士が所属する総合事務所へと組織が変更され、名称も千賀総合法律事務所に改められた。これは、すでにこの時点で、複数の専門分野を統合したサービス提供を目指していたことを示している。

2006年（平成18年）3月には、司法制度改革審議会が提唱した専門職間の連携強化という理念に基づき、より多角的なサービスを提供できるよう組織が再編された。この再編では、新たなパートナーとして弁護士、弁理士、不動産鑑定士などが加わり、事務所名も虎ノ門総合法律経済事務所に変更された。これは、クライアントの利便性向上を目指した、専門家協働の推進という観点から行われたものである。

そして、2010年（平成22年）1月には、現在の名称である虎ノ門法律経済事務所に変更されるとともに、事務所内に弁護士法人TLEO虎ノ門法律経済事務所が設立された。この弁護士法人には、所属弁護士の一部（2017年時点では65名）が所属している。

2010年以降、事務所は全国各地への拠点展開を急速に進めた。特に2014年（平成26年）には、千葉、市原、川崎、横浜、大阪、大宮、高崎、那覇、上野、立川、神戸といった主要都市に相次いで支店を開設するなど、一気に全国ネットワークを拡大した。その後も仙台、札幌、福岡など各地に支店を増やし続け、2020年（令和2年）までに多くの主要都市に拠点を築いている。

規模と評価

弁護士数においては、全国有数の規模を誇る事務所として知られている。例えば、2017年にはある弁護士事務所ランキングにおいて、所属弁護士数で全国12位に位置づけられた実績がある。また、2013年には同ランキングの100位以内で25位、2014年には200位以内で21位となるなど、継続的に大規模事務所として評価されている。

特に、弁護士だけでなく様々な他士業が協働するワンストップ型の総合事務所としては、国内最大級の規模を誇る点が特筆される。

主な所属者

事務所には、多様な経歴を持つ多くの専門家が所属している。パートナー弁護士の中には、元裁判官、元検事、元高裁判事、元家裁所長など、司法の要職を経験した者や、元大学学長、元銀行法務部次長など、学術界や企業法務の分野で高い実績を持つ人物が含まれる。

また、過去には元最高裁判所判事や元関東弁護士会連合会理事長といった著名な弁護士や、元大手企業会長といった経歴を持つ人物が顧問や所属弁護士として在籍していた時期もある。こうした多様なバックグラウンドを持つ専門家が集まることで、幅広い視点からのリーガルサービス提供を可能にしている。

著書

事務所の専門家によって執筆された書籍も出版されており、例えば『資産運用と相続対策を両立する不動産信託入門』（幻冬舎）などがある。

虎ノ門法律経済事務所は、その設立以来、時代や社会のニーズに合わせて組織を発展させ、特に専門家間の協働によるワンストップサービスと全国的な拠点展開を通じて、依頼者に対して多角的かつ利便性の高いリーガルサービスを提供し続けている日本の法曹界において重要な位置を占めている。

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