虹澗橋

虹澗橋（こうかんきょう）

虹澗橋は、大分県豊後大野市三重町菅生と臼杵市野津町大字西畑の間に位置する、大野川水系三重川に架かる美しい石造アーチ橋です。通称、柳井瀬橋とも呼ばれ、その優れた景観と歴史的価値から、国の重要文化財および日本百名橋に選定されています。

概要

橋の名前にある「澗」は谷川を意味し、「虹澗」で谷川にかかる虹、つまり美しいアーチ橋を意味しています。江戸時代、この地は臼杵藩の領地であり、三重と臼杵を結ぶ重要な街道が通っていました。しかし、橋が架けられる以前は「柳井瀬の渡り」と呼ばれる難所があり、人や物資の往来を大きく阻んでいました。

この状況を打開するため、地元の豪商3名が私財を投じ、文政4年（1821年）正月に橋の建設が開始されました。しかし、工事は困難を極め、3年半後の文政7年（1824年）6月にようやく竣工しました。当時としては最大規模の石造橋であったとされ、豪商たちは私財を使い果たし没落したと言われています。

1988年（昭和63年）には上流に新虹澗橋が架けられましたが、虹澗橋はその後も2003年（平成15年）まで自動車が通行する道路橋として利用されていました。現在は自動車の通行は禁止されていますが、歩行者は通行可能です。

諸元

所在地：大分県豊後大野市三重町菅生
河川：大野川水系三重川
形式：1連石造アーチ橋
橋長：31.0m
径間（アーチの幅）：25.1m
幅員：6.1m
着工：文政4年（1821年）1月
竣工：文政7年（1824年）6月
設計・施工：井沢織平（大野織平）（石工）
文化財指定：国の重要文化財（1999年12月1日指定）

虹澗橋は、江戸時代の土木技術の粋を集めた美しい石橋であり、地域の歴史と文化を今に伝える貴重な遺産です。その優美な姿は、訪れる人々を魅了し続けています。

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