蚕室野球場

蚕室野球場（チャムシルやきゅうじょう）

蚕室野球場は、韓国のソウル特別市松坡区にあるソウル総合運動場内に位置する野球場です。正式には「ソウル総合運動場 野球場」と呼ばれ、一般には「蚕室」として知られています。この球場は、韓国プロ野球のLGツインズと斗山ベアーズという二つのチームの本拠地であり、シーズン中はほぼ毎日試合が行われている活気ある場所です。

球場の歴史

1982年に開場した蚕室野球場は、国際大会を意識して設計されました。開場当初からLGツインズの本拠地として使用され、1986年からは斗山ベアーズも利用を開始しました。この球場は、1988年のソウルオリンピックでは野球競技のメイン会場としても機能し、大規模な国際試合が数多く開催されています。1999年には、シドニーオリンピックのアジア予選もここで行われました。

球場のサイズは、ホームからセンターまで125メートル、両翼まで100メートル、左右中間で120メートルと、かなりの広さを誇ります。このため、他の球場に比べてホームランが出にくく、一般的に投手に有利な球場として知られています。

2009年には、LGツインズの主催試合のために可動フェンスが設置され、一時的にセンターの距離が短縮されましたが、その後2011年には元の状態に戻されました。また、球場内には大型の電光掲示板が設置されており、試合の進行に伴う情報を随時提供しています。

韓国シリーズと特別ルール

韓国プロ野球の年間総合優勝を決定する韓国シリーズでは、出場チームの本拠地の収容人数が30,000人未満の際は蚕室野球場での開催が規定されていましたが、このルールは2015年以降廃止されました。これにより、蚕室での開催は特定の条件に基づく場合のみとなりました。

主なエピソード

野球場での特別な出来事も数多く存在します。2000年5月4日には、斗山の金東柱による推定飛距離150メートルの場外本塁打が記録され、これは球場初となる快挙です。この打球を記念して、落下点にはメモリアルプレートが埋め込まれています。2009年10月24日には、起亜タイガースが韓国シリーズの第7戦でサヨナラ勝ちを収め、12年ぶりの優勝を果たしました。

交通の便

蚕室野球場へのアクセスは非常に便利で、ソウル地下鉄の2号線および9号線の総合運動場駅から徒歩数分で到着できます。ソウル市の中心部からは約40分ほどの距離です。

今後の展望

2026年以降、蚕室野球場は解体され、その跡地に新たな蚕室ドーム野球場が建設される計画が発表されています。これにより、さらなるスポーツイベントの開催が期待されています。

蚕室野球場は、韓国の野球文化を支える重要な施設であり、今後も多くのファンに愛され続けることでしょう。

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