蛇使い

蛇使いとは

蛇使い（へびつかい）は、蛇を使った大道芸を生業とする人々を指します。特に有名なのは、インドコブラを使った芸で、笛の音に合わせて蛇が踊るように見えることから「コブラ踊り」とも呼ばれます。

蛇使いの芸の仕組み

コブラ踊りは、蛇が笛の音に反応しているように見えますが、実際にはそうではありません。蛇は、蛇使いが足でカゴを叩く振動や、目の前で動く笛の動きに反応しているのです。蛇は音を直接聞いているのではなく、振動や視覚的な刺激に反応して動いていると考えられています。

蛇使いの生活と文化

蛇使いは、多くの場合、集団で村を作り、世襲制でその技術を伝えています。幼い頃からコブラの飼育に従事し、演奏者とコブラが訓練を重ねることで、あの独特な芸が生まれます。蛇使いが使用する笛は、「プーンギ」または「ビーン」と呼ばれ、ヒョウタンから作られています。コブラの首元にも似た形をしているのが特徴的です。

インドにおける蛇使いの現状

かつてインドには数十万人もの蛇使いが存在しましたが、2000年代後半から状況は大きく変化しました。インド当局が野生生物保護法の適用を厳格化し、コブラの捕獲が事実上不可能になったためです。警察による摘発も進み、2010年代に入ると、インド国内から蛇使いの姿は急速に消えつつあります。伝統的な文化が失われつつあることは、非常に残念なことです。

美術の中の蛇使い

蛇使いは、古くから芸術の題材としても取り上げられてきました。特に「オリエンタリズム」の画家たちは、異国情緒あふれる蛇使いの姿を好んで描きました。彼らの作品を通して、当時の人々の蛇使いに対するイメージや関心を知ることができます。

蛇使いに関連する情報

ショパン猪狩: 蛇使いをモチーフにした芸を行った日本の芸人。
へびつかい座: 星座の一つ。蛇と格闘するアポロンがモデルという説や、医薬を扱うアスクレピオスがモデルという説があります。
ヴェノモイド: 毒を除去した毒蛇のこと。
プーンギ(ビーン、南インドではマグディ): インドの蛇使いが使用するひょうたん笛。

蛇使いは、単なる大道芸人ではなく、独自の文化と歴史を持つ人々です。彼らの芸や生活様式は、私たちに多くのことを教えてくれます。蛇使いの現状を知り、彼らの文化を守るために何ができるのかを考えることが大切です。

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