蜂房秋艃

蜂房秋艃（生没年不詳）は、江戸時代後期に活躍した浮世絵師であり、狂歌師としても知られています。彼の生涯については不明な点が多いものの、残された作品から当時の文化や風俗を垣間見ることができます。

来歴

蜂房秋艃は、蹄斎北馬の門人として絵を学びました。姓は吉見、通称は八太郎と称し、紀定丸の姻戚であったと伝えられています。蜂房、蜂房巣、蹄斎、蹄亭、柳花園山形など、多くの号を用いて活動しました。江戸で生まれ、文化年間（1804年 - 1818年）から天保年間（1830年 - 1844年）にかけて、浮世絵師として活躍しました。

狂歌の世界では、便々館琵琶麿の門人として知られています。琵琶連の判者を務めるなど、狂歌界でも重きをなし、摺物などの制作にも長けていました。文化7年（1810年）には、宿屋飯盛の読本『梅か枝物語』の挿絵を手がけ、文化8年（1811年）には、瀬川路蝶が編纂した狂歌絵本『露の淵』、文政元年（1818年）頃に刊行された狂歌絵本『以代美満寿』などの挿絵も担当しました。これらの作品は、当時の人々の生活や文化を生き生きと描き出しており、貴重な資料となっています。

また、「花の吉原」と題された肉筆浮世絵の美人画も残されており、彼の美人画の才能を示すものとして評価されています。

作品

「船まんじゅう」 絹本着色 中右瑛コレクション 大田南畝賛

参考文献

『江戸の粋 浮世絵名品展』-中右瑛監修（1993年、毎日新聞社）

関連項目

蜂房秋艃は、江戸時代の文化を担った一人として、その作品は今日でも多くの人々に愛されています。彼の作品を通して、江戸時代の文化や風俗に触れてみてはいかがでしょうか。

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