蝶々雲

蝶々雲

『蝶々雲』（ちょうちょうぐも）は、芦原妃名子による日本の漫画で、愛と嫉妬、友情をテーマにしたストーリーが展開されています。本作において、中学生たちの複雑な人間関係や成長する様子が描かれています。2002年の『Betsucomi』に掲載された作品で、後に「砂時計」の基となったとも言われています。

物語の背景

物語は兵庫県の過疎化が進むN島を舞台にしています。主人公の清、完太、ゴマの3人は、この島で長い時間を共に過ごしてきました。しかし、彼らの関係に変化が訪れます。かつてこの島で過ごしていた女が戻り、その娘である六花（りっか）が新たに仲間として加わるのです。都会で育った六花は、島の環境に馴染めずにいますが、しだいに清たちとの距離を縮めていきます。

恋の葛藤

物語が進むにつれ、完太は六花に対して特別な感情を抱くようになりますが、それは清を嫉妬の渦に引きずり込むことになります。清は六花に意地悪をしてしまい、その結果、六花の家族は島を去ることになります。二人の関係が消えてしまったことで、清は自らの行動の重さに気付くことになります。しかし、高校最後の年、六花が再び清の前に現れることで、物語に新たな展開が待ち受けます。

中学生シリーズの他の作品

『蝶々雲』は、複数の短編が収められた作品集の一部でもあります。また、他の中学生の日常や恋愛模様を描いた作品も収められています。

中学1年生 -恋未満-

この短編では、可菜が同級生の藤本くんに恋をする様子が描かれます。「好きな人の持ち物を手に入れると両想いになれる」というジンクスを信じ、藤本のシャープペンの芯を手に入れる可菜。藤本は彼女の思いを知り、二人は付き合い始めますが、彼の実際の姿は可菜の想像とは異なるものでした。

中学2年生 -男嫌い-

三月というキャラクターは、身体的なコンプレックスから痴漢被害に悩まされています。ある日、彼女はそれに耐えかねて、同じクラスの男子・鳥井の手を掴んでしまいます。この事件をきっかけに、二人は思わぬ騒動に巻き込まれることになります。特に、思わず交わるキスにより、学校中に噂が広がる様子が描かれています。

中学3年生 -サクラチル。-

このエピソードでは、奈江が以前の初恋相手である菅野に再会する様子が描かれています。かつては輝いていた菅野の状況を知り、奈江は彼に対する思いを再燃させます。しかし、菅野は奈江の住環境や彼女が抱える問題に気づき、彼女を助けようとする姿勢を見せます。このように、青春の苦悩や愛情の変遷を通じて、登場人物たちの成長が描かれています。

まとめ

『蝶々雲』は、恋愛の微妙さや友情の大切さ、そして成長を描いた魅力的な作品です。特に、中学生という多感な時期に直面する心の揺れ動きを巧みに表現しています。これらの短編を通じて、読者はキャラクターたちの感情や葛藤を共感することができ、各話ごとに新たな発見と感動が待っています。

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