衆議院議員選挙区画定審議会

衆議院議員選挙区画定審議会について

衆議院議員選挙区画定審議会（しゅうぎいんぎいんせんきょくかくていしんぎかい）は、日本における衆議院議員の選挙区を適切に定めるための審議機関です。この機関は、1994年4月11日に設立され、略称として「区割り審」とも呼ばれています。内閣府直轄の審議会として運営され、衆議院議員選挙区画定審議会設置法に基づいてその活動が行われています。

役割と機能

この審議会の主な機能は、衆議院小選挙区選出議員の選挙区の改定に関する調査をおこない、必要に応じて改定案を作成し、内閣総理大臣に対して勧告を行うことです。勧告は通常、10年ごとに行われる国勢調査の結果に基づき、これが官報に公示された日から1年以内に実施されます。また、選挙区に関する特別な事情や人口の著しい不均衡が認められた場合にも勧告が行われることがあります。

具体的な区割りについては、各選挙区の人口を均衡させることが基本的な方針とされ、最も多い選挙区の人口と最も少ないものとの差が二以上とならないように配慮されます。このように、行政区画や地勢、交通事情なども考慮しながら、合理的な区割りが行われます。

沿革

1994年の設立以来、区割り審は数多くの改正や改善に取り組んできました。設立時には、荒尾正浩や石川忠雄などの著名な委員が任命され、翌年には一票の格差を2倍未満に抑えること、選挙区の飛び地を作らないことなどの基本方針が決定されました。その後、村山富市首相に対して「小選挙区300・比例代表200」の区割り案が勧告され、その後国会で可決されました。

2011年、最高裁判所が一票の格差について違憲状態との判断を下したことを契機に、改正法案の検討が始まりましたが、各党の思惑から難航しました。2012年には緊急是正法が成立し、新たな区割りが始まりました。

さらに、2014年にはアダムズ方式が導入され、定数の配分が見直されることが決定しました。この方式は、各都道府県の人口比に基づいて小選挙区や比例区の定数を配分するものです。

近年の動向

2021年には「10増10減」の区割り改定案が岸田文雄首相に勧告され、過去最多の選挙区見直しが行われました。特に、有権者数が少ない選挙区との一票の格差を是正することが重視され、区割り作業が行われました。これにより、選挙区の人口の偏った分布が是正され、多くの住民にとって公平な選挙が実現されることを目指しています。

委員の選任

衆議院議員選挙区画定審議会の委員は、国会議員以外の識見が高い者から、内閣総理大臣の任命によって選ばれます。任期は5年で、各委員は選挙区区割りに関する公正な判断を行うことが求められます。

このように、衆議院議員選挙区画定審議会は、選挙制度の整備と公平な選挙の実現に向けた重要な役割を果たしています。

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