行番号

行番号とは

行番号とは、テキストファイルやスプレッドシートの各行に割り振られる番号のことです。テキストエディターでは、各行を区切る改行コードをもとに行番号が内部的に割り振られ、画面左側に表示されることが一般的です。プログラミング言語のソースコードにおいては、エラーメッセージやデバッガーによる参照にも利用され、開発を効率化する上で重要な役割を担っています。

行番号の種類

行番号には、主に以下の2種類があります。

論理行番号: テキストファイル内の改行コードを基準に割り振られる番号で、テキストエディター内部で使用されます。
表示行番号: テキストエディターの画面上で表示される行番号で、ウィンドウ幅に応じて折り返された場合でも、見かけ上の行番号を表示することができます。この機能は、日本語の文章作成に便利で、日本語テキストエディターで広く採用されています。

スプレッドシートにおける行番号

スプレッドシートでは、行番号は縦方向（Y方向）の番号を指し、横方向（X方向）の番号は列番号と呼ばれます。列番号には、数値ではなくアルファベットが使用されることが一般的です。

プログラミング言語における行番号

ラベルとしての行番号

古典的なプログラミング言語（FORTRANや初期のBASICなど）では、行頭に番号を打つことで命令文を区切る方式が採用されていました。この行番号は、`goto`文などのジャンプ命令において、移動先のラベルとしても使用されました。特に初期のBASICでは、行番号がプログラムの構造を明確にするために重要な役割を果たしていました。BASICでは、命令文を入力して改行すると、自動的に一定間隔で行番号が割り振られる機能もありました。

行番号による編集

初期のコンピュータでは、スクリーンエディタが未発達であったため、行番号を指定してプログラムの表示や編集を行う必要がありました。例えば、特定の行の内容を表示するには`LIST`コマンドを使用し、行番号を振り直すには`RENUM`コマンドを使用しました。しかし、現在の開発環境では、スクリーンエディタが発達しているため、行番号による編集はほとんど行われなくなりました。

構造化プログラミングとの関係

行番号と`goto`文を多用するプログラミングスタイルは、プログラムが複雑化すると、処理の流れを追いにくくなるという欠点がありました。この問題に対処するため、PascalやC言語などの後発の言語では、文の区切りやサブルーチンなどの構造化された記述を採用しました。これにより、条件分岐やループなどの処理を、`goto`文を使わずに実現できるようになり、プログラムの可読性やメンテナンス性が向上しました。構造化プログラミングに対応したBASICでは、行番号を使用しない言語仕様が採用されています。

まとめ

行番号は、テキストファイルやプログラミングにおいて、重要な役割を果たしてきました。初期のコンピュータ環境においては、編集の手段として不可欠であり、プログラムの構造を明確にする役割も担っていました。しかし、構造化プログラミングの発展に伴い、行番号に依存しないより可読性の高いプログラミングスタイルが主流となりました。現在では、テキストエディターの内部処理や、エラーメッセージにおける場所の特定などで活用されています。

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