衛戍教会 (ベルリン)

ベルリン衛戍教会の歴史と遺構

ベルリン衛戍教会（ドイツ語: Garnisonkirche）は、かつてベルリンのミッテ区に存在したプロテスタント教会です。この教会は、ベルリンに駐屯する兵士たちのために建てられました。

教会の設立と変遷

1701年から1703年にかけて、プロイセン王フリードリヒ1世の命により、建築家マルティン・グリューンベルクによってブランデンブルク初の衛戍教会として建設されました。しかし、1720年8月12日に隣接する弾薬庫の爆発事故により全壊してしまいます。

その後、1720年から1722年にかけてヨハン・フィリップ・ゲルラッハによって再建されました。ゲルラッハは尖塔はおろか棟小塔も設けませんでしたが、その簡素な外観はフリードリヒ・ヴィルヘルム1世の宗教的志向に対応したものでした。1863年にはアウグスト・ストゥーラーの手によって改築が施され、時代の要請に応じた改築が何度か行われました。

1873年には555もの棺が教会の地下室に埋葬されました。画家アドルフ・フォン・メンツェルがその棺を開け、鉛筆による遺骸の肖像画の連作を制作したというエピソードも残っています。

1899年から1900年にかけて内装が改められましたが、1908年8月13日にオルガンの送風モーターが故障し、オーバーヒートしたことが原因で火災が発生、全焼してしまいます。その後、2,700人の大工を集めて修復が行われ、1909年8月に再建されました。

第二次世界大戦中の1943年11月23日にはベルリン空襲で被災し、再び全焼してしまいます。戦後には墓地が何度も荒らされ、副葬品が略奪されました。1949年には約200人の棺がシュターンスドルフ南西墓地の共同墓地に移されました。そして、軒の高さまで残っていた外壁も1962年に解体されました。

現在、アンナ・ルイーザ・カルシュ通り（当時はノイエ・フリードリヒ通り）にある説法所と旧衛戍墓地が保存されています。

「太陽に道を譲らず」のモットー

1720年の再建時には、門の上に金文字で書かれた "NON SOLI CEDIT" のモットーを掴む鷲が描かれました。"NON SOLI CEDIT" はラテン語で「太陽に道を譲らず」という意味で、太陽王ルイ14世に対するプロイセンの不屈の精神を表しています。鷲はプロイセン王室であるホーエンツォレルン家の象徴であり、「プロイセンはフランスに屈しない」という意味が込められています。

オルガンの変遷

教会には、時代ごとに異なるオルガンが設置されました。

1724年から1726年：ヨアヒム・ワーグナー製作のオルガン
1892/93年：ヴィルヘルム・ザウアー製作のオルガン（当時ベルリン最大）
1901年：1892年のオルガンに強く影響を受けたオルガン

衛戍教会の遺構

1998年の建設工事の際に、外壁の北東角などの遺構が発見され、祭壇画も見つかりました。現在は基礎の上に記念碑が設置されています。

ベルリンの衛戍教会

19世紀後半には常備軍が大きく増勢されたため、礼拝のための衛戍教会も複数設けられました。

聖ミカエル教会 (1851年、カトリック)
聖ヨハネ大聖堂 (1894年、カトリック)
南星教会 (プロテスタント)

ベルリン衛戍教会は、その波乱に満ちた歴史を通して、ベルリンの歴史と深く結びついていました。現在、その跡地には記念碑が建てられ、その歴史を伝えています。

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