衛藤雅登

衛藤 雅登（えとう まさと）氏は、1947年4月15日に大分県で生を受けた日本の元プロ野球選手です。プロフェッショナルとしては投手として登録されていました。

高校時代は、大分県立別府大附属高校の硬式野球部に所属し、主力投手として活躍しました。1965年夏の全国高等学校野球選手権大会に向けた大分県予選では、チームを準決勝へと導く貢献を見せました。しかし、この準決勝で、後にプロ野球でも実績を残す岩崎忠義投手を擁し、当時県内の強豪として知られていた津久見高校と対戦し、惜しくも敗退しました。この夏の活躍が評価され、同年秋に行われたプロ野球ドラフト会議において、パシフィック・リーグに所属していた西鉄ライオンズ（現在の埼玉西武ライオンズの前身の一つ）から11巡目という順位で指名を受けましたが、衛藤氏はこの指名を辞退し、大学への進学を選びました。

大学は東京都にある大東文化大学へ進学し、硬式野球部に入部しました。大東文化大学は当時、首都大学野球連盟に加盟しており、衛藤氏はここで野球を続けました。大学時代には、特に3年次と4年次においてチームのキャプテンを務め、リーダーシップを発揮しました。チームを牽引する存在として期待されましたが、当時の首都大学野球リーグは東海大学をはじめとする強豪校が覇権を争っており、残念ながらリーグ優勝を果たすまでには至りませんでした。

大学卒業後は、社会人野球へと活躍の場を移しました。社会人野球チームである「日拓観光」に所属し、さらに腕を磨きました。社会人野球での経験を積んだ後、再びプロ野球の世界への挑戦を決意します。

そして1972年、パシフィック・リーグに新たに誕生した球団、日拓ホームフライヤーズ（現在の北海道日本ハムファイターズの前身の一つ）に、ドラフト会議を経ない「ドラフト外」という形で入団契約を結び、念願のプロ野球選手となりました。プロ入り後は、チームの一員として練習に励みましたが、一軍の公式戦に出場する機会はなかなか訪れませんでした。

日拓ホームフライヤーズに在籍した後、1974年にはセントラル・リーグに所属する広島東洋カープへ移籍しました。この移籍によって、新たな環境で一軍でのプレーを目指すこととなりました。しかし、広島東洋カープに在籍した期間も、残念ながら一軍の公式戦でマウンドに立つことはありませんでした。プロ野球選手として登録されながらも、公式戦での登板機会を得られないまま、1976年のシーズンをもって現役選手としてのキャリアを終えることを決断し、ユニフォームを脱ぎました。

プロ野球選手としての現役生活は決して長いものではありませんでしたが、衛藤氏は野球界との関わりを絶つことはありませんでした。現役引退後、所属していた広島東洋カープの球団職員となり、チームのマネージャーという重要なポストに就きました。マネージャーとしては、チームの運営をサポートし、選手たちが日々の練習や試合に集中できる環境を整えるために尽力しました。このマネージャーとしての職務を、実に14年間もの長きにわたり務め上げ、裏方としてチームを支え続けました。

球団マネージャーを退いた後は、これまでの野球畑でのキャリアから全く異なる分野へと転身しました。プロ野球選手として、そして球団職員として長く過ごした広島市に留まり、新たに整体院を開業しました。現在は、身体のメンテナンスやケアを行うプロフェッショナルとして、地域の人々の健康を支える活動を続けています。野球人生を経て培われた経験や人間性が、現在の仕事にも活かされていることでしょう。

衛藤氏のプロ野球選手としての登録期間における背番号は以下の通りです。
45 （1973年） - 日拓ホームフライヤーズ
51 （1974年） - 広島東洋カープ
* 53 （1975 - 1976年） - 広島東洋カープ

一軍公式戦出場は叶いませんでしたが、その後の球団マネージャーとしての貢献、そして新たな分野での活躍と、多岐にわたるキャリアを歩んできた人物と言えます。

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