衣裳デザイナー

衣裳デザイナーとは

衣裳デザイナーとは、バレエやダンス、音楽ライブ、演劇、映画などさまざまな舞台において使用される衣装をデザインする専門家を指します。この職業は衣装デザイナーやコスチュームデザイナーとも呼ばれ、日本の映画制作では特に重要な役割を担っています。また、日本における衣装制作の一環として「衣裳部」の存在も見逃せません。

衣装の意味

「衣裳」という語は、元々は上半身を着る「衣」と下半身を着る「裳」を指した言葉です。中世の日本では着物全般を示す総称として使われましたが、近世以降は主に舞台衣装や晴れ着の意味合いで使われるようになり、さらには「衣装」という表記が一般化しました。特に宝塚歌劇団では「衣装」の表記が定着しており、舞台衣装の重要性を物語っています。

映画界における衣裳デザイン

映画制作においては、衣裳デザイナーは監督や撮影[[監督]]と密接に連携しながら衣装のデザインを進めます。特に日本[[映画]]の場合、セカンドアシスタントディレクターを通じて監督とコミュニケーションを取り、衣装選びや管理に関わります。衣裳デザイナーが不在の場合、衣裳部がその役割を担うことも少なくなく、作品の予算に応じて衣装の仕立てを行うこともあります。一方、アメリカのアカデミー賞では「アカデミー衣裳デザイン賞」が設けられていますが、日本のアカデミー賞には同様の賞は存在していません。

衣裳部の役割

日本の映画やテレビドラマにおいて、衣裳部は映画制作に欠かせない存在です。衣裳部のスタッフは通常「衣裳」としてクレジットされ、衣裳を提供する企業は「衣裳協力」として名前を掲載されます。かつては、各撮影所に所属する社員によって構成されていましたが、現在は分業化が進む中でも「衣裳部」と呼ばれ続けています。この部門は俳優課に属し、美粧・結髪と交じり合って活動しており、現場のプロデューサーや監督との連携が求められます。

衣裳部は、衣装倉庫での衣装管理やメンテナンスも行い、アパレルメーカーとのタイアップも重要な業務です。また、必要に応じて衣装に「汚し」を施すことも業務の一つで、現場のシーンに合わせて泥や血痕などを加えます。なお、衣裳の範疇に含まれない小物類（帽子や靴など）は「持ち道具」として別に扱われます。

衣裳合わせ

衣裳合わせは撮影前の重要な準備工程で、監督や演出部との打ち合わせを通じてシーンに適した衣装を選定します。俳優が衣装を試着し、持ち道具とセットで使用する衣装を決めていく大切なプロセスです。

日本の主な衣裳企業

• - 東京衣裳：業界のリーダーで、東映やフジテレビなどに常駐しています。
• - 第一衣裳：東京衣裳の関連会社で、日活撮影所に所属しています。
• - 京都衣裳（現：東宝コスチューム）、松竹衣裳、大和衣裳、鷹志衣裳など、他にも多くの企業が存在します。

衣裳デザインは視覚芸術の一環として、作品の雰囲気やキャラクターの個性を形作る重要な役割を果たしており、今後もその重要性はますます高まっていくことでしょう。

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