表計算ソフト (情報処理技術者試験)

情報処理技術者[[試験]]における表計算ソフト

情報処理技術者[[試験]]では、受験者のアプリケーション活用能力を測るため、表計算ソフトに関する問題が出題されます。この試験で用いられる表計算ソフトは、IPA（情報処理推進機構）が独自に仕様を策定した仮想のソフトウェアです。特定のベンダー製品に依存しないように、試験専用のものが用意されていますが、出題される関数や機能はMicrosoft Excelに類似しているとされています。

表計算ソフトが出題される試験区分

過去には、初級システムアドミニストレータ試験（初級シスアド）で午後の科目として出題されていましたが、2009年度春期を最後に廃止されました。現在では、以下の試験区分で出題されています。

ITパスポート[[試験]]
基本[[情報技術者試験]]

特に基本[[情報技術者試験]]では、午後の科目でソフトウェア開発に関する選択必須問題の一つとして、表計算ソフトの問題が出題されます。他の選択肢として、C言語、Java、Python、CASLがあります。表計算ソフトは、他のプログラミング言語に比べて習得が容易であり、練習環境も準備しやすいことから、プログラミング初心者向けの言語と捉えられがちです。

表計算ソフト特有の注意点

表計算ソフトの問題は、前半の関数に関する問題に加えて、後半では擬似言語を用いたマクロ定義の問題が出題されます。そのため、関数や機能だけでなく、アルゴリズムに関する知識も必要です。マクロの構文はVBAに近く、論理的な思考力が求められるため、初級シスアドやITパスポートよりも難易度が高いとされています。また、問題文が長く、選択肢が多い傾向にあるため、解答に時間がかかることがあります。

マクロは2011年7月の特別試験までは出題されていませんでしたが、同年10月の秋期試験から追加されました。

試験における表計算ソフトの位置づけ

基本[[情報技術者試験]]における表計算ソフトの問題は、単なるアプリケーションの活用能力を測るものではなく、プログラミング能力を問うものです。これは、初級シスアドやITパスポート、MOS、P検、J検などの民間検定とは異なる点です。

今後の変更点

2023年4月より、科目B試験（現行の午後試験に相当）において、ソフトウェア開発の問題が「データ構造及びアルゴリズム」（擬似言語の問題）に統合される予定です。これにより、表計算ソフトを含む個別のプログラミング言語の問題は廃止されることになります。

表計算ソフトの仕様

以下に、試験で用いられる表計算ソフトの仕様に関する用語と関数について説明します。

用語

引数: 関数に渡す値のこと。例えば、合計（A1:D1）の場合、A1:D1の部分が引数となります。
関数値: 関数が計算した結果の値。戻り値とも呼ばれます。
行: 表計算ソフトの横の並び。数字で表します（例：1行目、2行目）。
列: 表計算ソフトの縦の並び。アルファベットで表します（例：A列目、B列目）。
セル: 表計算の一つのマス目のこと。
セル範囲: 複数のセルをまとめたもの。表記は“A1:D1”のようにコロンで区切って表記されます。以前は“A1〜D1”と表記されていましたが、ITパスポート[[試験]]では2015年7月7日、基本[[情報技術者試験]]では同年の秋期試験から“A1:D1”という表記に変更されました。

主な関数

情報処理技術者[[試験]]センターは、以下のような関数を策定しています。関数は、引数として与えられた値に基づいて処理を行い、その結果（数値、文字列、論理値、セル番号など）がセルに表示されます。

関数は、引数として与えられた値に基づいて、処理を行います。そして、関数が計算で求めた値(数値や文字列、’真’ か’偽’の論理値、セル番号の場合はその番号が指し示すセルの値)によって、その関数が入力されたセルに表示される計算結果が変わります。

参考資料

* IPA 独立行政法人 情報処理推進機構：情報処理技術者[[試験]]：試験要綱・シラバスなど

もう一度検索