表面粗さ

表面粗さとは

表面粗さとは、物体の表面の微細な凹凸の度合いを表す尺度です。理想的な平滑面からのずれを、鉛直方向の偏差として測定します。表面が粗いほど偏差は大きく、滑らかなほど小さくなります。一般的に、表面粗さとは、測定された表面形状の中で、短波長で空間周波数の高い成分を指します。

しかし、表面の評価には、周波数だけでなく振幅も重要です。粗い表面は、滑らかな表面に比べて摩擦係数が大きく、摩耗が激しい傾向があります。また、表面の不均一な部分は、クラックや腐食の発生源となる可能性があります。一方、表面が粗いと接着性が向上する場合もあり、目的に応じた粗さの制御が重要になります。

表面粗さの測定

表面粗さの測定には、触針式のプロファイロメータや、白色光干渉計などの非接触式のプロファイロメータが用いられます。プロファイロメータは、表面をなぞるように測定し、その凹凸を数値化します。また、粗さ比較板と呼ばれる、既知の粗さを持つサンプルと触って比較することでも、おおよその粗さを把握することができます。

表面粗さのパラメータ

表面粗さは、輪郭曲線（線）または表面形状（面）に基づいて数値化されます。

線粗さパラメータ

線粗さパラメータは、Ra、Rq、Rzなどがあります。

Ra（算術平均粗さ）: 粗さ曲線の平均線からの絶対値の算術平均値です。最も広く使用されているパラメータです。
Rq（二乗平均平方根粗さ）: 粗さ曲線の平均線からの偏差の二乗平均平方根です。
Rz（最大高さ粗さ）: 粗さ曲線の最大高さと最小高さの差です。

これらのパラメータは、粗さ曲線のすべての情報を一つの数値に落とし込むため、解釈には注意が必要です。測定方法や平均線の計算方法が結果に影響を与えるため、測定条件を考慮する必要があります。

面粗さパラメータ

面粗さパラメータは、Sa、Sq、Szなどがあります。これらは、ある面積にわたって表面粗さを測定する場合に用いられます。測定対象領域を線スキャンして、そのデータを繋ぎ合わせて三次元の表面形状と面粗さパラメータを算出します。

その他のパラメータ

傾斜パラメータ: 粗さ曲線の傾斜に関する特性を表します。
カウント数および横方向のパラメータ: 輪郭曲線がある閾値とどれだけ頻繁に交差するかを表します。周期的な構造を持つ粗さ曲線に用いられます。
RSm: 要素の平均長さを表し、平均的な山の間隔を示します。

実用上の効果

表面粗さは、部品の性能に大きな影響を与えます。一般的に、表面が粗いほど摩擦が大きく、摩耗が早くなります。そのため、多くの製造図面では、表面粗さの上限が定められています。しかし、シリンダーのように、表面に油膜を保持するために、ある程度の粗さが必要な場合もあります。

また、表面粗さは風力発電機の生産性にも影響を与えることがわかっています。

結論

表面粗さは、物体の表面の凹凸の度合いを示す重要な指標です。適切な粗さの制御は、製品の品質向上や性能維持に不可欠です。表面粗さを理解し、適切に測定・評価することで、製品開発や品質管理に役立てることができます。

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