装甲騎兵ボトムズ

『装甲騎兵ボトムズ』（Armored Trooper Votoms）は、日本・サンライズ制作のロボットアニメで、1983年から1984年にかけてテレビ東京系で放送されました。全52話から成り、後には小説や漫画、OVAなどの形で追加エピソードが展開されています。特に、2011年に発売されたOVA『孤影再び』が最新の映像作品です。

作品の設計思想

本作は、監督・高橋良輔によるもので、リアルロボット路線を踏襲した作品として位置付けられています。『太陽の牙ダグラム』に引き続きハードボイルドな描写が特徴であり、飛び交う暴力的な戦闘描写や登場キャラクターたちの人間ドラマが見どころです。アーマードトルーパー（AT）と呼ばれるロボットは単なる兵器ではなく、彼らが操る人間の心の葛藤を象徴しています。

物語のあらすじ

物語は、アストラギウス銀河内の二つの勢力、ギルガメスとバララントの間で続く百年戦争を背景に展開します。主人公のキリコ・キュービィーは、ある日自らの軍に疑問を持つようになり、味方基地の強襲に関与することになります。そこで秘密裏に保管された軍の最高機密「素体」を目撃し、以降、追手に追われながら逃亡の旅に出ることになります。彼はその過程で仲間たちと共に様々な陰謀に直面し、自身の出生の秘密にも迫ります。

登場キャラクター

- キリコ・キュービィー:

本作の主人公。ギルガメス軍の曹長として登場し、孤高の存在感を持つ戦士。彼は極秘任務中に秘められた存在であるフィアナと出会い、心の暗闇を照らされることになります。

- フィアナ:

キリコの恋人であり、彼の運命に大きな影響を与える女性。彼女もまた、ギルガメス軍が産み出した素体の一人として描かれ、彼女の存在が物語全体に様々な意味を持つように仕立てられています。

- ブールーズ・ゴウト:

キリコと行動を共にする商人であり、事の進展に対し人情家としての顔も見せる人物。キリコの旅には欠かせないキャラクターです。

- ココナ、バニラなども重要な仲間たちで、彼らはキリコと共に成長し、生き残りをかけた戦闘と友情を繰り広げます。

作品の影響

『装甲騎兵ボトムズ』は、放送当時は高視聴率を獲得することはありませんでしたが、のちにコアなファン層を確立し、名作として広く認知されることとなりました。その人気は玩具やプラモデルなどの商品展開にも繋がり、多くの外伝や小説も作られています。

当作品は、暴力描写や戦争の悲劇を通じて人間の本質に迫ろうとする志向を持つ一方で、フィクションとしての魅力を余すことなく伝えています。ATのデザインや独特の描写、さらに緻密な設定が見事に融合し、視聴者を魅了する力を保持し続けています。今なお新しい作品や設定が生まれ、継続する愛されるシリーズの一つと言えるでしょう。

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