西北野戦軍

西北野戦軍について

西北野戦軍（せいほくやせんぐん）は、国共内戦の時代に中国共産党が西北地域を中心に編成した方面軍・軍集団の一つです。元々は西北野戦兵団として活動していましたが、1947年7月31日に中国共産党中央軍事委員会の決定により、現名称に改称されました。後に、この部隊は中国人民解放軍第1野戦軍へと発展していきました。

成立経緯

この部隊の成立は1947年の夏にさかのぼり、指揮官には彭徳懐が司令員兼政治委員に就任しました。副司令員には張宗遜、副政治委員には習仲勲が就任し、参謀長には張文舟が任命されました。また、政治部主任には徐立清が、経歴のある王政柱が副参謀長として活動しました。同時に中共西北野戦軍前線委員会が設置され、彭徳懐がその書記としての役割も兼ねていました。

編成が完了した段階では、第1縦隊、第2縦隊、教導旅、新編第4旅が構成され、総兵力は早くも4万5千人とされました。

活動内容

1947年8月6日、この部隊は楡林戦役を開始し、国民党軍の胡宗南が指揮する10個旅団を北部へ誘導し、これにより晋冀魯豫野戦軍と連携を図りました。特に8月20日には、胡宗南の精鋭部隊である第36師の主力6千人を撃滅し、内線防御から攻勢に転じることに成功しました。

その後、華北地域での攻撃を継続し、9月14日から16日にかけて行われた岔口、関庄追撃戦では、国民党の第1軍、第29軍の4千人を撃破しました。また、同年9月25日〜10月21日には、警備第1旅、第3旅と騎兵第61師から新たな第4縦隊が編成され、総兵力は7万5千人を超えました。

1948年の冬には、「訴苦」や「三査」と呼ばれる整軍運動を進行し、階級や工作、闘志の査察が行われました。2月24日から3月3日には宣川戦役を展開し、国民党軍の大規模な部隊を撃滅する成果を上げました。更に3月には黄龍山麓戦役に進出し、富県や蒲城などの占領を実現しました。これに伴い、連続して西府や隴東地域も解放し、国民党軍への大きな打撃を与えました。

消滅

1949年2月1日、中国共産党中央軍事委員会の命令により、西北野戦軍は中国人民解放軍第1野戦軍に改称され、正式にその名前を歴史から消し去ることとなりました。

このように、西北野戦軍は国共内戦の重要な局面において、中国共産党の戦略的軍事部隊として活動し、数々の戦役を通じてその勢力を拡大しました。その存在は戦後の中国社会においても多大な影響を与えました。

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