西向天神社

西向天神社

西向天神社（にしむきてんじんしゃ）は、東京都新宿区新宿に位置する神社です。学問の神様として知られる菅原道真公を祀っており、地元の人々から篤い信仰を集めています。

歴史

創建は1228年（安貞2年）と伝えられており、栂尾明恵上人によって建立されました。社殿が西向きに建てられていることから、「西向天神」という名で親しまれるようになりました。かつては東大久保村の鎮守として、地域の安寧を見守ってきました。

境内

境内には、いくつかの見どころがあります。

『新宿の女』の歌碑

1999年、作詞家・石坂まさをの30周年を記念して、歌手・藤圭子のデビュー曲『新宿の女』の歌碑が建立されました。歌碑には、この神社から二人の若者が旅立ち、その名が伝説となったという由来が刻まれています。この歌碑は、西向天神社が地域文化に深く根ざしていることを示す象徴的な存在です。

紅皿の墓

神社の隣には、かつて別当寺であった梅松山大聖院があり、その一角に紅皿の墓があります。紅皿は、室町時代の武将・太田道灌の逸話に登場する少女で、道灌が雨具を求めた際に山吹の花を差し出したというエピソードが有名です。道灌はその意味を理解できず、後に古歌の意味を知って自らを恥じ、歌道に励むようになったと言われています。この紅皿の墓は、物語性豊かな歴史の一場面を伝えています。

氏子地域

西向天神社の氏子地域は、以下の通りです。

新宿区新宿六丁目1～26・27（一部）
新宿区新宿七丁目1～25・26（一部）
新宿区余丁町（全域）
新宿区富久町20～21・22（一部）・23～41

所在地・アクセス

所在地：東京都新宿区新宿六丁目21-1
アクセス：副都心線・大江戸線 東新宿駅下車 徒歩3分

関連情報

厳嶋神社 (新宿区): 通称「抜弁天」と呼ばれる神社で、西向天神社が兼務しています。

参考文献

『ガイドブック新宿区の文化財 史跡（西部編）』（新宿歴史博物館、1998年）　P70
『東京都神社名鑑　上巻』（東京都神社庁、1986年） P552
斎藤長秋 編「巻之四 天璣之部 大窪天満宮」『江戸名所図会』 2巻、有朋堂書店〈有朋堂文庫〉、1927年、465-468頁。

西向天神社は、地域の歴史と文化を今に伝える貴重な場所です。参拝の際には、境内の見どころをゆっくりと巡り、歴史の重みを感じてみてください。

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