西安美術学院

西安美術学院について

西安美術学院（せいあんびじゅつがくいん、略称：西美）は、中国陝西省西安市に位置する高等教育機関であり、特に美術やその他の芸術に特化しています。中国西北部では唯一の美術専門大学であり、長い歴史を持ち、国家的にも重要な役割を果たしています。この学院は、中国の八大美術学院の一つとして名前が挙げられ、中央美術学院や中国美術学院と共に、博士号を授与できる重要な拠点の一つとなっています。

沿革

西安美術学院の起源は1948年にさかのぼり、当初は西北軍政大学芸術学校として設立されました。1949年には、西北芸術専科学校が設立され、現在の西安美術学院の創設年とされています。1956年には学科の分割が行われ、西安美術専科学校と西安音楽専科学校に改組されました。その後、1960年に西安美術学院へと昇格され、1971年には西安音楽学院と統合して陝西省芸術学校となり、後に陝西省芸術学院へと昇格しました。

1980年には再び、美術系と音楽系が分かれ、現在の形の西安美術学院と西安音楽学院が設立されました。1982年には、日本の名画家である後藤純男が外国人として初めて名誉教授に任命されるなど、国際的にも注目を集める教育機関となっています。また、2007年には陝西芸術師範学校を合併し、教育の幅を広げました。

学部と専攻

西安美術学院では、さまざまな専攻が提供されています。中でも主要な専攻には、中国画、油絵、版画、彫刻、工芸美術学、デザイン学、建築環境芸術学、服装学、美術教育学、映像動画学、芸術教育学などがあります。また、特殊教育芸術学という専攻も設置されており、独自の教育を行っています。さらに、「一級博士学科」では、美術学、デザイン芸術学、そして芸術評論の各分野で博士号を取得することが可能です。

盗用事件への対応

近年の事件として、2017年に副教授だった樊雨のイラスト作品が、権威あるレッド・ドット・デザイン賞を受賞しました。しかし、翌2018年に受賞作が英国のイラストレーターの作品を盗用していたことが発覚しました。この事件を受けて、西安美術学院は樊雨を解雇し、研究及び創作の公正を保つための対策を強化する姿勢を示しました。

まとめ

西安美術学院は、中国西北部の文化及び美術教育を担う重要な機関として、その歴史を築いてきました。教育の質や研究の水準を向上させ続けることで、国内外から注目される教育機関であり続けています。美術学やデザインの分野での専門的な教育を受けた学生たちは、将来的なキャリアにおいてもその能力を発揮し、広く社会に貢献することが期待されています。

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