西宮球技場

西宮球技場の概要と歴史

西宮球技場（にしのみやきゅうぎじょう）は、兵庫県西宮市に位置する、かつて阪急電鉄が運営していたスポーツ施設です。この球技場は2002年まで存在し、地域のスポーツ活動の重要な拠点として機能していました。主に阪急西宮球場と隣接し、西宮北口駅の南に位置していました。

所在地と周辺環境

西宮球技場は西宮市深津町7にあり、阪急西宮ガーデンズ本館の南側に位置していました。南には阪急バスの西宮営業所が隣接してあり、交通の便も良い場所でした。また、施設は山手幹線の南側にあり、地域社会との結びつきが強かったと言えます。

歴史的な背景

この球技場は、1937年にオープンし、1941年には関西学生リーグで初めてのアメリカンフットボールの試合が開催されるなど、歴史的なスポーツの舞台となりました。2000年頃にはこの場所が関西のアメリカンフットボール史の出発点であることを示す記念プレートも設置されました。戦後は、甲子園南運動場が再開されない中で、1947年から全国中等学校蹴球選手権大会や全国中等学校蹴球大会の会場として使われ、サッカーやラグビーなど多くのスポーツイベントが行われました。

1962年には名神高速道路の建設に伴い一時閉鎖されますが、1965年には再開され、再び全国高等学校サッカー選手権大会の試合も行われました。アメリカンフットボールの試合も1978年に人工芝に改装されてからは、大学リーグや下位リーグの試合が増える傾向が見られました。

施設の特徴と課題

この球技場は三千人を収容可能な東側メインスタンドと、石段のみの西側バックスタンドを持っていました。東側スタンドは1995年の地震の際にも大きな損傷は受けませんでしたが、西側スタンドはシンプルな作りでした。開花期には桜並木が美しく、観戦と共に花見も楽しむことができるスペースとなっていました。

しかし、天然芝のグラウンドでありながら、試合のない日は駐車場としても使用されたため、フィールドが砂地になることが多く、天候によってはぬかるみが生じるなどの問題も抱えていました。このため、スポーツの開催時には泥だらけの中で試合が行われることもしばしばでした。

営業終了と跡地の利用

2002年3月に西宮競輪が廃止されたことに伴い、阪急電鉄は球技場の営業終了を決定しました。サッカーとアメリカンフットボールの文化を継承するための改装案もありましたが、結局、球技場は2002年のシーズン終了後に閉鎖されました。閉鎖後も球技場で使用されていたスコアボードは、関西学生アメリカンフットボール連盟に譲渡され、別のスタジアムで使用されています。

跡地は阪急西宮ガーデンズとして開発され、利用者のための駐車場として整備されました。また、記念プレートは歩行者専用通路に残されています。さらに、南側の敷地は医療法人敬愛会により2012年に西宮敬愛会病院として開院し、北側には2018年に阪急西宮ガーデンズの別館がオープンしました。こうして、西宮球技場は地域の新たなシンボルへと生まれ変わっています。

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