西尾市立吉良図書館

西尾市立吉良図書館は、愛知県西尾市吉良町に位置する公共[[図書館]]です。西尾市立図書館の分館として、地域住民の知的好奇心を満たすとともに、文化的な活動を支援する重要な役割を担っています。1984年（昭和59年）10月に幡豆郡吉良町立図書館として開館し、2011年（平成23年）4月1日に西尾市立吉良図書館に改称されました。図書館の隣接地には、小説家・尾崎士郎の文学館である尾崎士郎記念館があり、文学ファンにとっても魅力的なスポットとなっています。

歴史

吉良町立図書館時代（1984年～2011年）

図書館の建設は、1982年（昭和57年）7月に吉良町が決定しました。1983年（昭和58年）10月には名鉄西尾線三河荻原駅西側の用地で建設が開始され、1984年（昭和59年）3月に竣工。同年7月に仮開館し、10月に正式開館しました。

図書館は、西尾市が所有する旧糟谷邸（愛知県指定有形文化財）と同一敷地にあり、江戸時代の豪農の邸宅である旧糟屋邸の景観に調和した外観となっています。鉄筋コンクリート造の平屋建てで、開館当初の蔵書収容能力は開架が3万冊、閉架書庫が3万冊、合計6万冊でした。

1988年（昭和63年）3月には、図書館入口の右手に、吉良町出身の小説家である尾崎士郎に関する文献を集めた尾崎士郎記念室が設置されました。1989年（平成元年）2月には尾崎士郎作文賞が創設され、同年8月には図書データの電算化準備が開始、1990年（平成2年）4月にはコンピュータによる貸出返却業務が開始されました。

1991年度（平成3年度）の開館時間は9時から17時で、貸出冊数は5冊まで、貸出期間は15日間でした。この年度末の蔵書冊数は50,485冊、貸出冊数は50,698冊でした。当時の吉良町の人口は22,037人であり、住民一人当たりの貸出冊数は2.3冊でした。

1992年（平成4年）12月には、ボランティアグループ「こうまの会」が結成され、図書館活動を支援しました。1993年（平成5年）には、文学者の記念室を併設する公共[[図書館]]の館長が一堂に会する全国交流会が丸岡町民図書館で初めて開催され、吉良町立図書館からも館長が出席しました。1994年（平成6年）2月には、開館10周年を記念して尾崎士郎展が開催されました。

1995年（平成7年）5月には、愛知県図書館オンライン検索システムに接続し、蔵書検索の利便性が向上しました。同年5月には吉良児童館に、同年6月には吉良文化広場に配本所が開設され、地域へのサービスが拡大されました。同年7月には、吉良町の町制40周年記念事業として図書館フェスタが開催され、10月には「第3回全国文学者記念室を伴う図書館交流会」が吉良町立図書館で開催され、全国の文学館併設図書館の関係者が集まりました。1996年（平成8年）5月には、小学校5校に対し巡回図書を開始し、10月には視聴覚資料の貸出が開始されました。

増築後

2000年（平成12年）5月から2001年（平成13年）1月にかけて、建物北側に別棟の増改築工事が行われ、特別閲覧室・視聴覚室兼会議室・第二閉架書庫が新設されました。これにより、蔵書収容能力は開架が5万冊、閉架書庫が11万冊、合計16万冊に増加しました。2000年度末の蔵書点数は90,811点、貸出点数は98,669点でした。当時の吉良町の人口は22,204人であり、住民一人当たりの貸出冊数は4.4冊でした。

開館から16年後の2001年（平成13年）2月16日には、延べ入館者数が100万人を超えました。尾崎士郎記念室や尾崎の書斎があることから、観光客も多く訪れるようになりました。2002年（平成14年）12月には、図書館西側の同一敷地に、尾崎士郎の書斎を移築した尾崎士郎記念館が開館しました。

2006年（平成18年）12月16日には、最寄駅であった名鉄西尾線三河荻原駅が廃止となり、最寄駅は名鉄西尾線・蒲郡線吉良吉田駅（徒歩20分）となりました。2007年（平成19年）2月1日には、幡豆郡三町図書館広域システムが開始され、一色町の学びの館、幡豆町の幡豆町立図書館とオンラインで結ばれ、相互利用が可能になりました。ウェブサイトから3館すべての蔵書検索や予約が可能となり、幡豆町立図書館の蔵書をウェブサイトから予約して吉良町立図書館で受け取ることができるようになりました。

2009年度（平成21年度）末の蔵書点数は131,431点、貸出点数は143,165点でした。当時の吉良町の人口は22,901人であり、住民一人当たりの貸出冊数は6.3冊でした。

西尾市立吉良図書館時代（2011年～）

2011年（平成23年）4月1日には、旧西尾市、一色町、吉良町、幡豆町の1市3町が合併し、新西尾市が発足。吉良町立図書館は西尾市立吉良図書館に改称されました。2015年度末の蔵書冊数は137,901冊、貸出冊数は130,980冊となっています。

西尾市立吉良図書館は、地域住民にとって欠かせない情報収集、学習、交流の拠点として、今後もその役割を果たしていくことが期待されます。

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