西山俊樹

西山俊樹：日本のモーターサイクルシーンを牽引したパイオニア

西山俊樹氏は、1947年生まれの日本のモーターサイクルライダーであり、実業家です。トライアル、モトクロス、エンデューロ、ラリーと、オフロードバイクレースの様々な分野で活躍しました。その活動は、競技への参加にとどまらず、日本のモーターサイクル文化の発展に大きく貢献するものでした。

神奈川県横須賀市から世界へ

西山氏は神奈川県横須賀市で生まれ育ち、関東学院大学工学部機械工学科を卒業しました。ご父君は全日本モーターサイクルクラブ連盟(MCFAJ)の創立に携わった西山秀一氏であり、幼少期からモーターサイクルに囲まれた環境で育ちました。

1970年12月、西山氏はイギリスへ渡ります。1年間のイギリス滞在で、トライアル競技のルール、テクニック、コース設計、マシンの特性、そしてレース運営など、多岐にわたる知識と経験を習得しました。さらに、イギリスでの活動を通じて、世界中のライダーや関係者との幅広い人脈を築きました。

トライアル競技の日本への導入

1972年に帰国した西山氏は、イギリスで学んだ知識と人脈を活かし、日本のモーターサイクル界に大きな変革をもたらします。まず、トライアル競技の正式なルールを日本に紹介し、普及に尽力しました。

さらに、海外の著名ライダーと日本のメーカーを繋ぐ役割を果たし、国際的な交流を促進しました。この活動は、日本のモーターサイクル産業の国際化に貢献するものでした。

株式会社トシ・ニシヤマの設立とKTMとの関わり

帰国後、西山氏は株式会社トシ・ニシヤマを設立。ブルタコ、アームストロング、マイコ、KTMなど、数々の外国製オフロードバイクや関連用品を輸入・販売しました。特にKTMとは深い繋がりがあり、1983年にはKTMのErich Trunkenpolz社長から要請を受け、2002年まで日本総代理店を務めました。西山氏の尽力により、KTMは日本市場で高い人気を獲得することになります。

ISDT/ISDEへの挑戦とモーターサイクルレスキュー連盟の設立

西山氏は、1971年に日本人として初めてISDT（国際シックスデイズエンデューロ、現ISDE）に出場しました。その後も1990年までに10回出場し、国旗を掲げて一人で入場行進する姿は、多くの海外ファンに強い印象を与えました。2018年にはイタリアで開催されたTrophee de Nationsに招聘され、再びその雄姿を披露しています。

また、モーターサイクルレスキュー連盟を設立し、エンデューロレースやトライアル競技会を開催。本格的なエンデューロレースのルールやコースを日本に紹介することで、日本のエンデューロレースの発展にも大きく貢献しました。海外の著名選手の招聘にも積極的に取り組み、日本のオフロードレースシーンの活性化に尽力しました。

数々のレースでの活躍

西山氏は、国内外の様々なレースで輝かしい成績を残しました。全日本トライアル選手権や全日本モトクロス選手権での優勝、SSDT（スコットランドシックスデイズトライアル）でのファーストクラスアワード受賞など、数々のタイトルを獲得しています。ISDT/ISDEでも、シルバーメダルやブロンズメダルを獲得するなど、国際的な舞台でも活躍しました。パリ・ダカールラリーやインカ・ラリーにも出場し、その高い実力を世界に示しました。

レース活動と普及活動の両面で貢献

西山俊樹氏の功績は、自身のレース活動だけにとどまりません。トライアル競技の日本への導入、オフロードバイクの輸入販売、レースイベントの開催、そして人材育成など、多方面にわたる活動を通じて、日本のモーターサイクル文化の発展に大きく貢献しました。その活動は、日本のモーターサイクルシーンに長く影響を与えるものとなりました。

著作活動

西山氏は、『これがトライアルだ』、『オフロード入門』、『トライアル実践テクニック』など、多くの著作も残しています。これらの書籍は、多くのライダーに技術や知識を提供し、日本のオフロードバイク文化の普及に貢献しました。

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