西島 (兵庫県)

西島の概要

西島は兵庫県姫路市に所在し、家島諸島で最も広い面積を誇る有人島です。この島は男鹿島と同じく採石業が盛んであり、採石業者の家屋が作業場周辺に点在しています。さらに、県が運営する自然体験施設である「兵庫県立いえしま自然体験センター」も設置されています。

地形と交通

西島は姫路市の南西約18kmに位置し、播磨灘の中で家島諸島の一部を成します。坊勢島との間には約100mの海峡があり、アクセスも便利です。姫路港からは坊勢輝汽船を利用して坊勢島へ渡り、さらに輝観光の船に乗り換えることで西島に到達できます。このルートは1日に6往復あり、所要時間は片道約50分です。また、チャーター船の利用も可能です。

歴史

西島には先土器時代から縄文、弥生時代にかけての遺跡があり、多くの石器や遺構が発見されています。海岸には古墳群が存在し、山の上では先土器時代の遺構が確認されています。かつては坊勢島と共に「大高島」として扱われていました。明治時代末期には旧日本陸軍の火薬貯蔵庫が設置され、戦後も民間の砲弾解体処理場として利用されました。1953年9月1日には火薬庫の爆発事故が発生しましたが、幸いにも死傷者はありませんでした。

観光名所

西島には自然体験施設があり、訪れる人々は瀬戸内海国立公園の自然を楽しむことができます。マリンスポーツやトレッキング、キャンプなどのアウトドア活動が行える施設が整備されており、宿泊施設や各種プログラムも充実しています。また、東大寺山頂近くに位置する「頂上石」は非常に大きな巨岩で、岩に刻まれたような模様が特徴的です。家島十景の一つ「松島野馬」も観光名所で、牧場が存在したことから美しい松島の景色を楽しむことができます。

生活

2015年の国勢調査によれば、西島には2世帯の2人が居住しており、集落が4カ所存在します。郵便船が運航しており、家島郵便局の職員が毎日配達を行っているため、地域住民の生活が支えられています。しかしながら、島内には商店や医療機関はありません。

2017年には西島において、通信会社4社による無線通信を用いた水道の自動検針（スマートメーター）が試験的に導入されました。これにより、人口が少なく集落が分散している地域の検針業務が軽減されることが期待されています。

家島朝鮮初級学校

かつて西島には家島朝鮮初級学校が存在しました。1946年に設立され、地域の朝鮮人学童の初等教育を行っていましたが、日本人の生徒も受け入れていたことで知られています。朝鮮人学童の数が減少したため、1969年に廃校となりました。

西島は自然と歴史、独特の文化が融合した場所で、訪れる人々にさまざまな体験を提供してくれます。

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