西明寺栗

西明寺栗：幻と称される秋田の稀少な大粒栗

西明寺栗（さいみょうじぐり）は、秋田県仙北市西木地区でのみ栽培される特産品であり、その大粒さと希少性から「幻の栗」とも呼ばれています。地域団体商標にも登録されており、その品質の高さが認められています。

西明寺栗のルーツ

西明寺栗の歴史は、300年以上前に遡ります。関ヶ原の合戦後、秋田藩主となった佐竹義宣公が、和栗の原産地である京都の丹波地方や岐阜の養老地方から栗の種を取り寄せ、北浦地方（現在の秋田県仙北市）での栽培を奨励したことが始まりとされています。

日本一とも言われるその大きさ

西明寺栗の最大の特徴は、その大きさです。日本一とも言われるほどの大粒で、豊かな風味とほっくりとした食感が楽しめます。収穫の最盛期は毎年10月頃で、地域では秋の味覚として親しまれています。

希少性

西明寺栗は、その生産量の少なさから「幻の栗」と呼ばれています。豊作の年でも30t程度、不作の年には10t程度の収量しかないと言われています。これは、全国の栗の収穫量と比較するとごくわずかな量であり、市場に出回る機会も限られています。

地域と連携した取り組み

かつては、その希少性ゆえに市場での評価が十分ではなかった西明寺栗ですが、近年では、地域の生産者と菓子製造会社が連携し、安心・安全な高品質な栗菓子を開発・販売しています。大手百貨店を中心に販路を拡大しており、その美味しさが広く知られるようになっています。

栽培品種

現在、西明寺栗として主に栽培されているのは、西明寺栗一号及び西明寺栗二号です。西明寺栗三号、四号、五号は受粉用として栽培されています。それぞれの品種の特徴については、1975年11月に発行された『広報あきた』No.162号（秋田県広報協会）の記事に詳しい情報が掲載されています。


西明寺栗は、その希少性と美味しさから、贈答品としても人気があります。秋田を訪れた際には、ぜひ味わってみてください。

参考文献
* 広報あきた No.162号（秋田県広報協会、1975年11月）

もう一度検索