西条盆地

西条盆地

西条盆地は、広島県の中央部、現在の東広島市に位置する盆地です。標高は約200mで、県内でも有数の広さを誇ります。この盆地は、米作りを中心とした穀倉地帯として知られています。

地形と地質

盆地は、西条層と呼ばれる地層で構成されています。この地層は、盆地の形成過程において重要な役割を果たしたと考えられます。

水源と灌漑

西条盆地は、全体として水源に乏しい地形です。そのため、古くから灌漑のために数多くの溜池が築かれてきました。その数は大小合わせて約3000にも及ぶとされています。これらの溜池は、盆地における農業生産を支える重要な役割を果たしています。

盆地の中央部を南北に流れる黒瀬川は、周辺の水田を潤しています。黒瀬川には、落差約15メートルの吾妻子の滝があり、西条盆地が二段に分かれていることを示しています。この段差を利用して作られたのが、三永水源地です。この水源地は、盆地内における重要な水資源となっています。

酒造りと水

盆地を囲む山の一つである龍王山からは、良質の軟水が湧き出ています。この水は、西条の酒造業を支える重要な要素となっています。西条の酒は、この豊かな水と良質な米によって醸造され、その品質の高さから全国的に知られています。

まとめ

西条盆地は、その地形的な特徴から、古くから米作りを中心とした農業が盛んな地域です。数多くの溜池や黒瀬川、そして良質な水資源は、この盆地の発展を支えてきました。特に、酒造業は、この盆地の水と密接な関係があり、地域の文化を形成する上で重要な役割を果たしています。

参考文献

広島文化大百科 - 西条盆地の溜池と吾妻子滝
水の郷百選 東広島

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