西法院武安流武者捕

西法院武安流武者捕（さいほういんたけやすりゅうむしゃどり）

概要

西法院武安流武者捕は、古くから伝わる日本の柔術の流派です。流派の創始者である松浦武兵衞は、長崎に由来し、仙台藩登米地方で伝承されてきました。この流派は、越後国の西法印流（西法院流）の一派であり、村田太郎右衛門重家から松浦武兵衞へと技術が受け継がれました。興味深いことに、西法印流の文献には「長尾謙信御内銘西法院流」と記されており、戦国時代の名将である長尾謙信との深い関わりがあります。

流派の歴史

西法院武安流武者捕の伝承によると、松浦武兵衞は鞍馬山西谷に住む僧正坊から牛若丸に伝授された兵法の流れを受け継いでいます。この流派の稽古は、農家や納屋の土間に藁で編んだものを敷いて行われ、伝統的な環境で学ばれてきました。

登米町には「西法院武安流武者捕　柔術　袋地亮治翁之碑」が建立されており、流派の重要性を示しています。しかし、平成15年に柴田茂が亡くなって以降、西法院武安流の伝承はその地で途絶えてしまいました。しかし、袋地亮治の徒弟である伊藤幹夫から一部技術を学んだ小佐野淳が山梨でこの流派を伝える活動を行っており、現在もその技術は受け継がれています。

系譜

この流派の歴史には多くの名が連なっています。流祖である松浦武兵衞から始まり、その後の系譜には松雲武安、清野治太夫、清野新太夫、後藤源八郎、柴田文裕勝春、袋地亮之進、千葉儀右衛門、袋地亮治、伊藤幹夫、小佐野淳、袋地登、柴田茂、御供真人、佐藤豪と続いています。それぞれの人物が流派の技術を磨き、伝承してきたことは、この流派の深い歴史を示しています。

技法

西法院武安流武者捕では、いくつかの技法が伝承されています。

居合十二組

• - 引捨
• - 胸詰小腕返
• - 胸詰引落
• - 両手取万力
• - 後詰逆抜
• - 頭捻
• - 打掛蜻蛉
• - 抜面影
• - 抜捨
• - 鐺上
• - 柄取捻返
• - 浪返

立合表二十六組

• - 弓手抜
• - 行違
• - 捨船
• - 張合
• - 面影
• - 大杉倒
• - 頭岩石
• - 後詰足投
• - 蜻蛉
• - 肩越車左右
• - 元結取手枕
• - 頭捻
• - 切捨小羽返
• - 飛曲捕
• - 前詰後詰
• - 熊の拍子捕
• - 手万力
• - 土拍子
• - 胸取足取突落
• - 岩石
• - 一家捕
• - 胸詰岩石
• - 根倒
• - 襟倒
• - 弓張
• - 抜蜻蛉
• - 七つ蜻蛉・十一蜻蛉（表の許し、乱捕）

陰居合五組

• - 小羽返
• - 胸附小腕返
• - 胸入込
• - 抜返
• - 張返

立合陰入身十組

• - 明傳
• - 鴨の羽返
• - 元結山
• - 臂車
• - 大渡
• - 逆抜
• - 入身腰
• - 大殺
• - 袖返
• - 志不里首

極意五組

• - 一心
• - 袖車
• - 無明捕
• - 胸取突返
• - 弓手返

参考文献

• - 『月刊秘伝』2000年11月号
• - 『仙台人名大辞書』961ページ
• - 『柔術西法院武安流武者捕』

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