西浦"ウィッキー"聡生
長崎県東彼杵郡出身、
1983年8月8日生まれの西浦"ウィッキー"聡生は、日本の
男性プロ
総合格闘家として、KRAZY BEEに所属し活動している。そのキャリアを通じて、独特なファイトスタイルと個性的なキャラクターで多くのファンを魅了してきた。
彼の
リングネームである「ウィッキー」は、シューティングジム横浜会長の川口健次氏によって名付けられた。その由来は、構えが猿の動きに似ていることから、猿の鳴き声にちなんでつけられたという。また、その変則的な戦いぶりから、
CAGE FORCEでは「暴発アーティスト」、DREAMでは「格闘猿」といった異名でも呼ばれ、リング内外でそのユニークさが際立っていた。
プロキャリアの始まりと修斗での躍進
西浦選手のプロキャリアは、
2005年5月29日に「ウィッキー聡生」の
リングネームで
修斗のリングからスタートした。デビュー戦では中村浩士選手を見事なKOで下し、鮮烈な印象を与えた。その後、
修斗の
ライト級(-65kg)新人王決定トーナメントに参戦。
2006年10月14日に行われた決勝戦で石澤大介選手に判定勝ちを収め、新人王の栄冠に輝いた。
修斗ではその後、田村彰敏選手や門脇英基選手といった実力者たちとの対戦を経験し、着実に経験を積んでいった。
修斗での実績を背景に、
2008年2月11日には
CAGE FORCEに初参戦。
CAGE FORCE EX -eastern bound- で開催された
フェザー級王座決定トーナメントの1回戦に臨み、キム・ジョンマン選手をパウンドによるKOで退けた。続く準決勝(
CAGE FORCE 08)では孫煌進選手に判定で勝利し、決勝進出を果たす。しかし、
2008年12月6日の
CAGE FORCE 09で行われた決勝戦で星野勇二選手に判定で敗れ、惜しくも初代
フェザー級王座獲得はならず、準優勝という結果に終わった。
DREAM、RIZIN、そして新たな挑戦
2009年3月8日、西浦選手は活躍の場をDREAMへと移した。
DREAM.7で開催された
フェザー級(-63kg)グランプリ1回戦でエイブル・カラム選手と対戦するも、判定で敗北。この試合から
リングネームを現在の「西浦"ウィッキー"聡生」に変更した。DREAM参戦中には、マット・ヒューム氏が主宰するAMCパンクレイションでの海外武者修行も経験。
2010年5月29日のDREAM.14では
所英男選手から右フックからの追撃でTKO勝利を奪うなど、印象的な試合を見せた。また、
2010年12月31日の
Dynamite!! 〜勇気のチカラ2010〜では、初のキックボクシングマッチとして
K-1王者の大和哲也選手と対戦し、ドローという結果を残した。その後も石田光洋選手、
宇野薫選手といった強豪と拳を交わした。
総合格闘技以外にも挑戦は続き、2011年11月6日には
シュートボクシングに初出場し、鈴木博昭選手と対戦している。
2015年には
リアリティ番組「Road to UFC: Japan」に参加し、
ジョシュ・バーネット率いるチームに所属。
フェザー級トーナメントでは1回戦を突破するも、準決勝で
石原夜叉坊選手に判定で敗れた。
日本の新たなMMAイベントであるRIZINにも旗揚げ当初から参戦。
2015年12月29日の旗揚げ興行RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2015では、
K-1ルールの試合で
HIROYA選手と対戦。一進一退の攻防の末、3ラウンドにKO負けを喫した。その後、2017年10月15日のRIZIN.7では、
K-1王者の
アンディ・サワー選手に判定勝利を収める金星を挙げた。キャリア終盤には、ONE Japan Series: Road to Centuryで
クレベル・コイケ選手と対戦し、一本で敗れる試合もあった。
変則ファイターの個性
西浦選手の最大の魅力は、その変則的なファイトスタイルにある。ノーガードに近い独特の構えから繰り出される予測不能なフェイントと、そこに合わせた鋭い打撃を武器とする。このスタイルが、「暴発アーティスト」や「格闘猿」といった異名に繋がった。
格闘家としての顔とは別に、
絵画を趣味としていることも知られており、独学で腕を磨いている。かつては
修斗の試合会場で
絵画の展示会が開催されたこともあるという。また、自身の体に入っているタトゥーや、試合で使用するトランクスのデザインも自ら手掛けるなど、クリエイティブな一面も持ち合わせている。リング上でのエキサイティングなパフォーマンスと、リングを離れた場所での多彩な才能、そして個性的なキャラクターは、西浦"ウィッキー"聡生というファイターを唯一無二の存在たらし存在としている。
彼のキャリアは多岐にわたり、様々なリングで激闘を繰り広げた。その戦績や経歴は、日本の格闘技史に確かな足跡を残している。