西谷村 (福井県)

西谷村の歴史と現在の状況

西谷村（にしたにむら）は、福井県南東部の大野郡に位置していました。この村は1970年7月1日に大野市に編入され、村としての存在を消滅しました。村の面積は約198平方キロメートルで、1960年の国勢調査によると人口は1,605人でした。当時は現在の大野市の南部を形成していました。

村の集落とその歴史

西谷村は、11の集落から構成されていましたが、歴史の中で多くの集落が様々な理由で離村しました。1959年には笹生川ダムの建設が始まり、これにより4つの集落が水没し、住民は村を去ることになりました。続いて、1963年に発生した三八豪雪による被害で3つの集落が離村しました。さらに、1965年の「四〇・九風水害」によって残っていた集落も壊滅的なダメージを受けることとなります。

これを受けて一時的に復興計画が進められましたが、1966年に真名川ダムの建設が行われることとなり、最終的には全ての住民の集団離村が決定されました。その結果、村民たちは大野市を中心に県内外へと新たな生活の場を求めることになりました。

新たな生活の場

大野市は元村民の受け入れに積極的で、1966年には市内に「市営西谷団地」を建設しました。この団地には80戸の住宅が整備され、村民が移り住むための新しい空間が提供されました。1969年には村民から新しい行政区名を公募した結果、「西里」という名が決まり、団地は「市営西里団地」と名付けられました。また同年には、新たに創建された「西谷神社」が篠座に設置され、村内の神社が合祀されました。

村の消滅とその後

西谷村は1970年にその歴史を閉じ、大野市に編入されました。村としての存在は消えましたが、その後も地域の文化や歴史は引き継がれています。特に「市営西里団地」は、建設から50年以上が経過し耐用年数を超えたため、入居者は他の市営住宅に移り、団地は解体される運命を迎えました。また、西谷神社も2015年に氏子の減少に伴い、篠座神社に合祀されて廃社となりました。

現在は、かつての村の中心集落であった中島に麻那姫湖青少年旅行村が整備され、季節ごとに観光客が訪れるようになっています。さらに、国道157号に沿っては各離村集落を記念する「ふるさとの碑」が建てられ、かつての生活の名残を留めた石垣や水車などの遺構も見ることができます。この地域では今でも旧住民やその子孫が農業に従事することもあり、夏には賑わいを見せることがあります。しかし、冬になると深い雪に覆われ、交通は遮断され訪れる人は少なくなります。

結論

西谷村の歴史は、ダム建設や自然災害と共に多くの住民の生活を変えました。村が消滅しても、その歴史的な跡は地域に息づいており、未来へと伝えられていくことでしょう。

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