西遊記 (サウンドトラック)

アルバム『西遊記』について

『西遊記』は、ゴダイゴが1978年10月にリリースした3枚目のオリジナル・アルバムです。このアルバムは、日本テレビの開局25周年を記念するドラマ『西遊記』の音楽を収録しつつ、独自のオリジナル作でもあります。英語タイトルは『MAGIC MONKEY』。特に、このアルバムの制作背景は非常にユニークです。

背景と制作過程

ミッキー吉野は、過去のアルバム「DEAD END」の制作時から『西遊記』をテーマにした作品を作ろうと考えていました。彼は「宇宙にフォークソングがあればどのようなものか」といったアプローチをし、楽曲の構成をカラフルにすることを目指しました。また、作詞家の奈良橋陽子は、本屋で中学の英語教材を通じて初めて『西遊記』を読み、その物語に深く感動し、楽曲の方向性をイメージしました。特に印象に残ったのは、三蔵法師が最後に経文を手にしたシーンでの観音の声でした。この影響を受け、さまざまな感情やシーンを楽曲に盛り込むことになりました。

さらに、奈良橋が『西遊記』の三蔵法師役に夏目雅子が選ばれたことにより、彼女を女性としてイメージし、孫悟空が彼女に恋をするという情景が、曲「Don't Wanna Say I Love You」にも反映されましたが、残念ながらこの曲は本アルバムには収録されず、後にタケカワのソロアルバムに収録されました。

音楽性と特徴

このアルバムに収められている楽曲はすべて英語詞です。ドラマのエンディング曲「ガンダーラ」は日本語のバージョンが放送されましたが、アルバムには英語版のみが収録されています。この方針は、ゴダイゴが結成された当初からのもので、スタジオアルバムでは一貫して英語詞を使用してきました。初のシングル「ハウスのふたり」と「レッド・シャポー」の一部を除き、このスタイルは続けられましたが、「ガンダーラ」のリリースに際しては、日本語のシングルも制作され、これが成功したため、その後のシングルにも日本語歌詞が取り入れられることとなります。

国内外でのリリース

『西遊記』は、イギリスでは『Monkey』として1979年にリリースされ、オーストラリアでも1984年に同じ曲順で発売されました。ディスクジャケットでは、メンバーが『西遊記』のキャラクターに扮しており、視覚的にも作品の魅力を引き立てています。

記録と評価

アルバムは発売後、特にアルバムチャートで1位を獲得しました。シングルチャートにおいては、他の名曲と共に高評価を受けました。収録曲の一つである「ガンダーラ」は、劇中の雰囲気を見事に再現し、多くのファンに親しまれました。

収録曲の解説

アルバムには、様々な楽曲が含まれています。たとえば、オープニングトラックの「THE BIRTH OF THE ODYSSEY～MONKEY MAGIC」は、ドラマのオープニングを象徴するものです。一方で、「GANDHARA」は英語バージョンとして収められ、非常に人気があります。他にも「Thank You, Baby」や「Celebration」など、ストーリーに基づいた楽曲が並んでいます。

結語

この『西遊記』のアルバムは、音楽だけでなく、その制作背景やリリースの過程においても多くの意義を持っています。ゴダイゴの独特な魅力を感じさせる作品として、今なお色褪せることなく多くのリスナーに愛されています。

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