西部州 (ソロモン諸島)

西部州

ソロモン諸島を構成する一つの州であり、地理的には同国の北西部に広がる領域を占めています。この州は、広大な太平洋に位置するソロモン諸島の中でも特に、隣国パプアニューギニアと海上での国境を接する戦略的な位置にあります。西部州の領域は、主にニュージョージア島、コロンバンガラ島、レンドバ島などから成るニュージョージア諸島の島々を中心として構成されています。これらの島々が州の大部分の陸地を形成しており、熱帯性の気候と豊かな自然環境に恵まれています。

州の行政機能は、ギゾ島に置かれたギゾという名の町に集中しています。ギゾは西部州の政治、経済、交通の中心地として機能しており、州政府の庁舎や主要なインフラが整備されています。

西部州の歴史的な変遷として特筆すべき点に、行政区画の変更があります。かつては、現在のチョイスル州に含まれるチョイスル島も西部州の管轄下にありました。長期間にわたり一体の行政区域として運営されていましたが、地方行政の効率化や地域開発の推進を目的として、1993年2月25日にチョイスル島は西部州から分離されました。この分離により、チョイスル島は独立した州としてチョイスル州が設立され、現在の西部州の行政範囲が確定したのです。

西部州は、ソロモン諸島を構成する全ての州の中で、物理的な広さにおいて最大であることが大きな特徴です。州全体の面積は5,475平方キロメートルと報告されています。一方で、陸地のみの面積に焦点を当てた2009年の国勢調査では、7,509.0平方キロメートルという異なる数値も報告されており、これは陸地面積と経済水域などを含めた総面積の捉え方の違いを示すものと考えられます。いずれの数値にせよ、西部州がソロモン諸島において非常に広大な領域を有していることは明らかです。

人口に関する統計データとしては、比較的最近のデータとして、2019年に実施された国勢調査の速報値があります。この調査によれば、西部州には94,209人の住民が暮らしています。この人口規模は、州都ギゾを中心とした都市部や、各島に点在する集落に分散して居住している人々の総数を表しています。

このように、西部州は地理的にソロモン諸島北西部に位置し、ニュージョージア諸島を中心とした広大な領域を持つ州です。隣国パプアニューギニアとの海上国境を接しており、州都ギゾがその中心となっています。歴史的にはチョイスル島の分離を経て現在の形に至り、ソロモン諸島で最も面積が大きい州として、自然、歴史、行政、そしてそこに暮らす人々といった多角的な側面を持っています。

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