西野伸一郎

西野伸一朗氏は、1964年に東京都で生まれました。明治大学経営学部を卒業後、1988年に日本電信電話株式会社（NTT）に入社。法人営業部門でシステムコンサルタントとして活躍しました。顧客企業のニーズを的確に捉え、情報システムの導入を支援する業務は、彼のビジネスキャリアの基礎を築きました。

1993年、西野氏はNTTの企業派遣制度を利用し、ニューヨーク大学に留学、経営学修士（MBA）を取得しました。海外のビジネススクールでグローバルな視点や経営戦略を学んだことは、その後の彼のキャリアに大きな影響を与えました。1995年に帰国すると、シリコンバレーのベンチャー企業への投資や、ジョイントベンチャーの設立に携わるなど、新たな事業開発に積極的に取り組むようになりました。

さらに、NTTのポータルサイト『goo』の立ち上げにも参画し、インターネットビジネスの可能性を追求しました。これらの経験を通じて、西野氏はインターネットビジネスのポテンシャルを確信し、その後の起業への意欲を高めていきました。1998年には、西川潔氏と共に株式会社ネットエイジ（現ユナイテッド）の設立に参画し、取締役に就任しました。この会社では、インターネット関連のさまざまな事業展開を推進し、日本のインターネットビジネスの発展に貢献しました。

同年、西野氏はアメリカのAmazon.comのCEOであるジェフ・ベゾス氏に日本法人設立を提案しました。この提案が受け入れられ、Amazon日本法人設立のプロジェクトがスタートします。1999年にNTTを退職後、西野氏はAmazon.com本社（シアトル）に入社し、アマゾンジャパン設立の準備に取り組みました。2000年11月、ついにAmazon.co.jpが正式に開設され、西野氏はJapan Founder（日本創業者）として、日本でのAmazon事業を成功に導きました。

Amazon Japanの立ち上げでは、日本の顧客ニーズに対応したサービス展開に注力し、書籍や家電製品だけでなく、食品やアパレルなど幅広い商品カテゴリーを充実させました。また、顧客の利便性を追求した物流システムの構築や、カスタマーサービス体制の強化にも取り組みました。これらの取り組みが、Amazon.co.jpを日本で最も利用されるオンラインショッピングサイトの一つへと成長させました。

2002年7月、西野氏は新たな挑戦として、日本初の雑誌定期購読エージェンシーである株式会社富士山マガジンサービスを設立し、代表取締役社長に就任しました。富士山マガジンサービスでは、雑誌の定期購読サービスをオンラインで提供することで、顧客が簡単に雑誌を購読できるプラットフォームを構築しました。また、電子雑誌の配信や、企業向けの雑誌購読サービスなど、多様なニーズに対応したサービスを提供し、日本の雑誌購読文化に新しい風を吹き込みました。

西野氏のキャリアは、NTTでのシステムコンサルタントから、Amazon日本法人の設立、そして富士山マガジンサービスの立ち上げと、常に新しいビジネスチャンスを追求し、その実現に向けて行動してきたものです。彼のビジネスに対する情熱と、常に新しい価値を創造しようとする姿勢は、多くの起業家やビジネスパーソンにとって、大きな刺激となっています。

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