西鉄香椎花園

西鉄香椎花園（かしいかえん）

西鉄香椎花園は、福岡県福岡市東区に位置し、地域の人々に親しまれていた遊園地です。西日本鉄道が運営していたこの場所は、特に「花の遊園地」として知られ、美しい花々が四季折々に咲き誇っていました。特に、5月の初めには全長90メートルのバラのトンネルが来園者を魅了しました。この遊園地は、一般的に家族連れや小さい子供向けのアトラクションを多数取り揃えていました。

この園地は、1938年に「香椎チューリップ園」として開園し、戦争の影響で長い間一時閉鎖された後、1956年に「香椎花園」として新たなスタートを切りました。1970年代後半には、周辺の香椎球場の跡地を利用して拡張され、その後は多くの人々に楽しまれる場となりました。遊園地の繁栄は1985年度に57万人の入場者数を記録し、その後も多くの人々に愛され続けましたが、2000年代に入ると集客数は年々減少し、経営は厳しい状況に陥りました。

2008年には休園を経て、『かしいかえんシルバニアガーデン』としてリニューアルオープン。シルバニアファミリーの世界観を基にした新たなアトラクションやテーマパークが導入され、より多くの来園者を迎え入れる計画が立てられました。2016年にはさらなるリニューアルが計画され、藤井昌宏氏の設計に基づくフラワーガーデンや新しい遊具の導入が行われました。

2017年にリニューアルが完了し、400種類以上の花が植えられた園内には新しいアトラクションや遊具が追加されましたが、遊園地の運営は依然として厳しく、特に新型コロナウイルスの影響を受け、さらなる来園者の減少が続きました。そのため、2021年12月30日をもって遊園地は閉園する運びとなりました。

閉園後、遊園地の跡地には2022年から「かしいのはまビレッジ」として、様々なイベントが行われるキャンプ場やドッグラン、アスレチックエリアなどが設置されました。この新たなスペースは一時的なものですが、地域の人々の集いの場となることが期待されています。

また、かしいかえんでは、レトロな鉄道車両を保存した「レトロ電車パーク」が設置されており、一部の車両は実際に内部に入って見学することができます。特に、土日祝日には有料で車内見学が可能で、多くの来訪者がレトロな雰囲気を楽しんでいました。

遊園地内のアトラクションには、シルバニアファミリーをテーマにしたセクションや、スーパーヒーローをテーマにしたパークもあり、特に子供たちに人気を博していました。そして、入場券やアトラクション料金にはnimocaカードが使用できる便利なシステムも導入されていました。

福岡市内から遊園地が消えたことにより、地域の遊び場の選択肢が限られてしまいましたが、現在も他のレジャー施設への訪問や、跡地で行われるさまざまなアクティビティを通じて地域の人々の交流が続いています。

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