見当たり捜査

見当たり捜査についての詳細

見当たり捜査（みあたりそうさ）は、日本の警察が用いる特有の捜査手法であり、被疑者を特定の場所で直接見つけ出すことを目的としています。この手法は、被疑者の顔写真や特徴を記憶した私服の捜査員が、繁華街や駅、空港などの人混みの中でパトロールを行い、該当者を発見するというものです。私服の捜査員は、目立たない風貌を心掛け、日常的に活動しています。

この捜査方法の始まりは1978年に大阪府警察で行われたのが最初であり、現在では全国の警察組織に根付いています。特に毎年11月に行われる指名手配被疑者捜査強化月間においては、この手法が強化され、捜査員は数百人以上の顔写真を記憶して臨むこともあります。

効果と実績

見当たり捜査は、近年では監視カメラやAI技術の普及によって古典的な手法とされることもありますが、依然として多くの成果を上げている点が特徴です。埼玉県警のある刑事は、AIやカメラが目撃者の機能を果たすことができても、実際に逮捕を行うには人間の判断が必要であると述べています。また、大阪府警の担当者は、カメラによる誤認を懸念し、見当たり捜査の重要性を強調しています。この過程で、捜査員が相手の名前を知っていることで、呼びかけることができ、対象が観念するケースが多いとのことです。

日本国内では、警視庁や道警、大阪府警、福岡県警など、様々な地域でこの見当たり捜査を行う専従の班が設けられています。兵庫県警では2008年に見当たり捜査班を設立し、2020年までの間に約200人の逮捕を達成しました。

さらに、イギリスのバーミンガムでは、ウエスト・ミッドランズ警察署の補助員が2018年までに1000人以上の容疑者を発見したという前例もあります。このような実績は、見当たり捜査の有効性を裏付けるものと言えるでしょう。

芸術作品における描写

見当たり捜査は、捜査そのものの実践だけでなく、文学やテレビドラマにも取り上げられることが多いです。例えば、姉小路祐の『見当たり捜査25時』は1999年に出版され、2004年にはTBSでドラマ化されました。また、戸梶圭太の『見当たり捜査官』や羽田圭介の『盗まれた顔』、今野敏の『機捜235』なども捜査のテーマを扱い、視聴者や読者にこの手法の理解を促しています。

結論

見当たり捜査は、過去から現在にかけて、その方法や実績を進化させてきました。古典的な手法として位置づけられつつありますが、今なお効果的な捜査手法であり、警察の重要な任務の一部として根付いています。

もう一度検索