見龍

見龍（けんりゅう）は、中国の雲南地方に存在した南詔（なんしょう）という国の異牟尋（いぼじん）の時代に使用された元号です。具体的には、780年から783年までの4年間使用されました。

元号の時代背景

南詔は、唐の時代に雲南地方で勢力を拡大したチベット系の国です。唐との関係は必ずしも良好とは言えず、時には対立もありました。異牟尋の時代は、南詔が唐に対して一定の独立を保ちながらも、国内の安定を図っていた時期と考えられます。

他の元号との関連性

見龍の期間は短いですが、この時期の中国本土では唐の徳宗（とくそう）の時代にあたります。唐では建中（けんちゅう）、興元（こうげん）といった元号が使用されていました。南詔が見龍という独自の元号を使用したことは、南詔が唐とは異なる独自の文化や政治体制を持っていたことを示唆しています。

元号の意義

元号は、その時代を象徴する言葉であり、国の支配者が天命を受けていることを示す意味合いがありました。南詔が見龍という元号を使用したことは、南詔が独自の王朝としての正当性を示そうとした表れであると考えられます。しかし、見龍という元号が具体的にどのような意味合いを持っていたのかについては、史料が限られているため、明確には分かっていません。

参考文献

李崇智『中国歴代年号考 修訂本』（北京：中華書局、2001年1月） ISBN 7101025129

関連項目

元号一覧 (中国)

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