親指さがし

親指さがし

『親指さがし』は、ホラー小説作家・山田悠介による作品で、2003年に出版され、後に映画化と漫画化もされました。この小説は、死が絡む恐怖のゲームに焦点を当てた物語で、多くの読者に衝撃を与えました。

物語の概要

物語は、別荘での残虐な殺人事件をきっかけに始まります。ある女性がバラバラにされた状態で発見され、その左手の親指だけが行方不明になるという不気味な状況が描かれます。この親指を探し出すというゲームが「親指さがし」です。遊び方は、参加者が輪になって座り、右隣の人の左手の親指を自分の右手で握りしめた後、目を閉じます。自分が殺害されることを想像し、目を開けると、見知らぬ部屋に着いているという設定です。

ゲームでは、過程で肩を叩かれることがありますが、その際には絶対に振り向いてはいけません。振り向くことで、元の世界には戻れなくなるというルールが恐怖を煽ります。親指を見つけることに成功すると、幸運が訪れるとされています。

登場人物

物語にはいくつかの主要キャラクターが登場します。主人公の沢武は、由美の親しい友人であり、彼に恋心を抱いている田所由美が物語の中心になります。彼女は、「親指さがし」を始めたきっかけを作りますが、その後行方不明になります。

続いて登場するのが吉田信久と五十嵐智彦で、二人は親指さがしの第一・第二の犠牲者です。彼らはそれぞれ、殺害された後にバラバラの遺体で発見され、親指が引き続き行方不明という妙な共通点を持ちます。また、物語中では高田知恵や田中明日香など、さまざまな登場人物が物語に絡んでいきます。

特に田中明日香は、11年前に友人を殺害し逮捕された人物であり、彼女の過去が物語に深みを与えています。また、箕輪スズは20年前の事件の被害者であり、親指さがしの根源的な存在として位置付けられています。

刊行情報

この作品は、山田悠介によって2003年に幻冬舎から出版され、続いて2005年には文庫版、2011年には電子書籍版が登場しました。また、原作に基づく漫画も作成され、多くのファンを魅了しています。

映画化

『親指さがし』は2006年に映画化され、三宅健が主演しました。映画版では原作とは異なる展開が見られ、心の闇が殺人事件の原因として描かれています。登場人物の背景や関係性が深く掘り下げられ、オリジナルキャラクターも加えられてドラマにさらなる緊張感をもたらしています。

結論

『親指さがし』は、単なるホラーではなく、心理的な恐怖や人間関係の複雑さを描いた作品です。人間の心の闇と、身近な人々との関係がいかに脆いものであるかを示しています。この物語は、読者や視聴者に深い印象を残し、未だに語り継がれるホラー作品となったのです。

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