角田三男

角田三男：鳥取から羽ばたいた棋士の生涯

角田三男は、1910年2月2日、鳥取県西伯郡岸本町（現在の伯耆町）に生まれました。将棋界においては、棋士番号13番、木見金治郎九段を師と仰ぐ棋士として知られています。

彼の将棋人生は、順位戦やタイトル戦への挑戦など、数々の挑戦と活躍によって彩られました。王位戦では、予選を勝ち抜き、挑戦者決定リーグに進出する活躍を見せました。リーグ戦では白組に所属し、惜しくも1勝3敗という結果に終わりましたが、その挑戦は彼の棋士としての意欲と実力を示すものとなりました。順位戦ではB級2組に1期在籍し、その実力の一端を垣間見ることができます。

一方で、順位戦C級2組では0勝10敗と苦戦を強いられ、降級点を重ねてリーグ陥落を経験しました。それでも彼は1985年3月まで現役を続け、将棋への情熱を燃やし続けました。

角田三男は、1985年5月6日に75歳で亡くなりました。その功績を称え、同日、八段位が追贈されました。彼の死は、将棋界に大きな悲しみをもたらしました。

角田三男の棋風は、独自の戦法「角田流ひねり飛車」、別名「角田流空中戦法」として知られています。この戦法は、彼独自のアイデアと戦略に基づいたものであり、後世の棋士にも大きな影響を与えました。

彼の戦法に関するエピソードとして有名なのは、『近代将棋』の講座で加藤治郎氏が「打ち歩回避のナラズは実戦ではない」と記述したことに対し、読者から1958年度C級1組順位戦の佐藤庄平五段－角田六段戦における74手目の△同角不成という実戦例が指摘されたことです。この棋譜は、角田三男の戦術眼の鋭さを改めて示すものとなりました。

また、作家である藤沢桓夫氏は、『小説棋士銘々伝』の中で角田三男を主人公とした小説『角田流空中戦法』を執筆しています。この小説は、角田三男の人物像や棋風、そして彼の将棋人生を深く掘り下げており、彼の生涯を知る上で貴重な資料となっています。

角田三男の昇段履歴は次の通りです。1929年入門、1934年四段、1948年五段、1954年六段（順位戦B級2組昇級）、1973年七段（表彰感謝の日表彰）、1985年3月引退、そして1985年5月6日死去、同日八段追贈と、長く棋士として活躍しました。

主な成績としては、第10回（1982年度）将棋大賞東京記者会賞を受賞しています。

角田三男は、その独自の戦法と、将棋への飽くなき情熱で、将棋界に大きな足跡を残しました。彼の功績は、これからも多くの棋士たちに語り継がれていくことでしょう。

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