解雇された暗黒兵士（30代）のスローなセカンドライフ

2018年に小説投稿サイト「小説家になろう」で連載が開始され、2019年には講談社より書籍化された岡沢六十四氏によるライトノベル作品。2024年11月時点で累計200万部を突破する人気を博し、コミカライズ、テレビアニメ化もされている。

ストーリー概要

物語の主人公は、ダリエル。魔王軍の四天王グランバーザに拾われ育てられた彼は、魔法が使えないにも関わらず、四天王の補佐として活躍していた。しかし、グランバーザの引退と新たな四天王バシュバーザの就任により、「魔法が使えない魔族は不要」という理由で解雇されてしまう。

森を彷徨う中で、人間族の少女マリーカをモンスターから救い、彼女が住むラクス村に身を寄せることに。そこで、ダリエルは自身が人間族であり、それが魔法が使えない理由であることを知る。さらに、人間族特有のオーラに高い適合性を持っていることも判明。ラクス村で新たな人生を歩み始めることになる。

ダリエルは村人として働き、その優れた能力と人望から村長に就任。ミスリル工房や冒険者ギルドの拡張など、村の発展に大きく貢献する。一方、マリーカとの間には子供たちが生まれ、幸せな家庭を築く。

しかし、ダリエルの過去や、人間族と魔族の対立、そしてバシュバーザとの因縁など、様々な問題が物語を彩る。ダリエルは、自身の能力と人との繋がりを活かし、困難を乗り越えていく。

主要登場人物

ダリエル

本作の主人公。32歳。元魔王軍四天王補佐。魔法が使えない人間族。オーラに対する適合レベルは全て最高。素手で戦うことを強いられていたが、高い戦闘能力こそ無いものの、後方支援能力、気配り、面倒見の良さで周囲から慕われていた。ラクス村では村長として活躍。物語終盤では禁呪の影響を受け、魔法も使えるようになる。

マリーカ

本作のヒロイン。10代後半の少女。ダリエルを助けた恩返しとして彼をラクス村に招き入れる。非常に力持ちで、無意識にオーラを使用している可能性がある。ダリエルと結婚し、子供を4人もうける。

ラクス村関係者

エンビル: マリーカの父。元冒険者で村長。ダリエルに村長の座を譲る。
エリーカ: エンビルの妻。マリーカの母。
ガシタ: ラクス村唯一の冒険者。ダリエルを慕う。
スミス: ミスリル鍛冶職人。腕は確かだが、好色家。ヘルメス刀をダリエルに贈る。
サカイ: スミスの弟子。ミスリル工房長。
グラン: ダリエルとマリーカの長男。高いオーラ適正を持つ。
セリーカ: ダリエルとマリーカの長女。
フィットビタン: 他の冒険者ギルド所属の冒険者。ダリエルと対立するが、後に和解する。
ベストフレッド: ミスリル鉱山の監督官。元A級冒険者。
センターギルド理事長: キャンベル街のセンターギルドのトップ。
レーディ: 勇者。ダリエルに感銘を受ける。
ノルティア: Aランク冒険者。レーディを殺害しようと企むが失敗する。
アランツィル: 先代勇者。ダリエルの父親。

魔族

バシュバーザ: 四天王の1人。ダリエルを解雇した張本人。血統主義者。
ゼビアンテス: 四天王の1人。ドSなお嬢様気質。
ドロイエ: 四天王の1人。ダリエルの才能を理解していた。
ベゼリア: 四天王の1人。ダリエルを見下している。
リゼート: 魔王軍暗黒魔道士。ダリエルの親友のような存在。
グランバーザ: 元四天王。ダリエルの育ての親。
ベゼタン: 元水の四天王。
* 魔王: 魔族の王。

世界観

この世界には人間族と魔族が存在する。人間族はオーラ、魔族は魔法を使用する。両者は長年対立してきた。ミスリル鉱石は両種族にとって貴重な資源であり、争乱の原因となっている。オーラには5つの特性（スラッシュ、スティング、ヒット、ガード、無）が存在する。

メディアミックス

本作は、小説の他にコミカライズ版とテレビアニメ版も展開されている。テレビアニメは2023年1月から3月まで放送された。

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