記憶の図書館

坂本真綾の11枚目のオリジナル・アルバム『記憶の図書館』は、2023年5月31日にFlyingDogから発売されました。

前作『Duets』から約2年2ヶ月ぶり、オリジナルアルバムとしては『今日だけの音楽』から3年6ヶ月ぶりのリリースとなります。CD+Blu-ray、CDのみの2形態で発売されました。

坂本真綾は本作について、次のように語っています。

「最近気になることの1つに“人間の記憶”があって。生まれて間もない人間を毎日お世話する中で「自分が赤ちゃんの頃のことって何ひとつ覚えてないな」と、当たり前だけど思ったんですね。でも、「生まれてから数年の間に人格のほとんどが決まる」と言われているくらい大事な時期らしい、という話も聞くじゃないですか。記憶にないだけで、いろんな人に出会ったり、いろんな景色を見たりしたことが自分の細胞の一部になっているのかもしれない、と子育てをしていて思ったんです。記憶のすべてを抱えて生きていくことはできないけど、忘れてしまった記憶は完全に消滅するわけでなく、自分の一部として残り続けているのだとしたら……と想像を膨らませた結果、アルバムのテーマになりました」

このアルバムは、オリコン週間チャートで初登場7位を獲得しました。

収録曲は以下の通りです。

CD
収録曲名は省略

Blu-ray（初回限定盤）
内容は省略

また、以下の楽曲はタイアップとして使用されています。

un_mute: テレビアニメ『REVENGER』エンディングテーマ
まだ遠くにいる: WOWOWオリジナルアニメ『火狩りの王』エンディングテーマ
言葉にできない: テレビアニメ『本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません』第3期エンディングテーマ
菫: テレビアニメ『であいもん』オープニングテーマ

『記憶の図書館』は、坂本真綾が「人間の記憶」という普遍的なテーマを、自身の経験を通して深く掘り下げた作品と言えるでしょう。子供の世話を通じて、自身の記憶や存在について改めて考え、そこから生まれたイマジネーションが、このアルバム全体を彩っています。タイアップ曲の充実度もさることながら、アルバム全体を通して聴くことで、より深く作品世界を堪能できるでしょう。

坂本真綾の新たな試みが詰まった『記憶の図書館』は、彼女のファンだけでなく、幅広い音楽ファンにおすすめできる作品です。記憶と現在、そして未来へと繋がる、そんな壮大なテーマを感じさせる一枚となっています。

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