診療エックス線技師

診療エックス線技師について

診療エックス線技師は、かつて医療機関でエックス線を用いた撮影や治療を担当していた国家資格を持つ医療技術者です。しかし、現在この資格は廃止され、診療放射線技師の免許に一本化されています。これは昭和58年の法改正によるもので、診療エックス線技師の資格は新規に取得することはできません。

ただし、法改正時に既にこの資格を持っていた人は、現在でも以前の法令に基づいて業務を行うことが認められています。そのため、現在でも医療現場で診療エックス線技師として活躍している人がいます。

業務内容

診療エックス線技師の主な業務は、医師または歯科医師の指示の下、患者に対してエックス線を照射することです。これにより、人体の内部構造を画像化し、診断や治療に役立てます。具体的には、胸部レントゲンや骨折の確認、歯科領域での撮影などが挙げられます。これらの業務は、専門的な知識と技術を要し、患者の安全を確保しながら正確な画像を提供することが求められます。

資格取得について

前述の通り、診療エックス線技師の資格は現在新規に取得することはできません。エックス線を用いた医療行為に携わるためには、診療放射線技師の国家資格を取得する必要があります。

関連職種

診療放射線技師

診療放射線技師は、診療エックス線技師の業務範囲を包括し、さらに広範な放射線（アルファ線、ベータ線、電子線などの粒子線を含む）を用いた医療行為に従事します。つまり、診療放射線技師はエックス線だけでなく、より多様な放射線技術を駆使して、高度な医療に貢献しています。

臨床検査技師

臨床検査技師は、放射線を使用しない画像診断分野（超音波検査やMRI撮影など）を担当します。これらの分野では、診療放射線技師と業務が一部重複しますが、放射線を使用した画像化を目的とした検査は、医師と診療放射線技師の独占分野です。臨床検査技師は、生体から採取した血液や組織などの検査を通じて病気の診断をサポートします。

診療エックス線技師と診療放射線技師の違い

診療エックス線技師と診療放射線技師の主な違いは、扱える放射線の種類と業務範囲にあります。診療エックス線技師は、エックス線のみを扱うことができましたが、診療放射線技師は、より広範な放射線を扱うことが可能です。また、診療放射線技師は、エックス線撮影以外にも、放射線治療や核医学検査など、高度な専門知識と技術を要する業務にも従事します。これにより、診療放射線技師は、より多岐にわたる医療分野で活躍しています。

まとめ

診療エックス線技師は、過去にエックス線を用いた医療行為を担っていた重要な医療技術職でした。現在では、診療放射線技師にその役割が引き継がれていますが、かつての資格保持者は引き続きその専門性を活かして医療現場で活躍しています。診療放射線技師は、より広範な知識と技術を持って、現代の医療を支える不可欠な存在となっています。

関連項目

* 医療資格一覧

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