誦経者

誦経者と誦経奉仕者

誦経者（しょうけいしゃ）は、正教会において特定の役割を担う人物であり、主教からの祝福を受けた者を指します。本来の意味では、正式な誦経者は非常に少なく、日本正教会では数名程度存在するのみです。これに対し、一般信徒が行うことのできる誦経は、司祭の祝福を得て行うことができます。これにより、正式な誦経者が不在の際でも、大きな支障は生じません。

誦経奉仕者

一般信徒は、正式な祝福を受けていない場合、「誦経奉仕者」と呼ばれますが、多くの教会ではこれらの信徒も「誦経者」と称されることが一般的です。役割としては、誦経者と誦経奉仕者が大きく異なるわけではなく、どちらも奉神礼の中で重要な役割を果たします。

役割の概要

奉神礼における誦経者の主な役割は、司祷者からの指示に基づいて、祈祷書の特定の部分を音読や歌唱することです。この誦経という行為は、奉神礼に日常的に参加している信徒によって行われ、彼らは訓練を受けた後、司祭から誦経奉仕者としての祝福を受けます。
誦経は一人だけでなく、複数人で行うこともできます。また、誦経者は、日々の祈りにおいて敬虔さを持ち、耳に優しい声で希望に満ちた誦経を実現することが求められます。

祈祷書において誦経の対象となる部分には、聖詠や旧約からの引用などが含まれ、聖体礼儀では使徒書簡の詩も用いられます。
時には、誦経に必要な信徒が不足している場合、神品の者がこの役割を担うことも稀にあります。特に、誦経を行う際に神品でない場合、聖所と至聖所を結ぶ扉の使用方法にも特別な規定があります。

女性の誦経奉仕者の役割

誦経者としての正式な祝福を女性が受けることはできませんが、誦経奉仕者は男女を問わず就くことができます。そのため、一部の教会では平日の奉神礼において、男性信徒が少ない場合に多くの女性が誦経奉仕を行っています。ただし、ギリシャ正教会においては、女子修道院を除けば女性の誦経奉仕者はあまり見られない傾向があります。日本正教会では、女性の誦経奉仕者の割合はロシア正教会と比べると少ないのが現状です。

結論

誦経者と誦経奉仕者は、正教会における重要な役割を果たしており、信徒の信仰に深く関わる存在です。彼らの活動を通じて、正教会の奉神礼は豊かに実施され、多くの信徒がその恵みを受け取ることができます。

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