読谷山洋司

読谷山 洋司（よみやま ようじ）は、1964年（昭和39年）2月20日に宮崎県延岡市緑ケ丘で誕生した日本の政治家であり、元総務官僚です。現在、故郷である延岡市の市長を2期にわたって務めています。

幼少期を延岡市で過ごし、延岡市立緑ヶ丘小学校を卒業しました。延岡市立南中学校在学中に、父親の仕事の都合で東京都へ移り住み、芝中学校・高等学校で学びました。大学は東京大学経済学部に進学し、1986年（昭和61年）3月に卒業しました。同年4月には、自治省（現在の総務省）に入省し、官僚としてのキャリアをスタートさせました。

自治省では、地方行政や財政に関する業務に携わりました。キャリアの中では、地方自治体への出向も経験しています。2005年（平成17年）には愛媛県総務部長に就任し、県の行政運営に深く関わりました。その後、2008年（平成20年）には内閣府参事官および内閣官房内閣参事官として中央省庁での職務に就きました。2010年（平成22年）には岡山市の副市長を務めるなど、多様な立場で行政の実務を経験しました。

2012年（平成24年）1月、総務省および岡山市副市長の職を辞し、故郷である延岡市へ戻りました。帰郷後は、行政書士として活動を開始し、県民の暮らしや事業に関する相談に応じたり、事業者の支援を行ったりしました。また、2015年（平成27年）には長崎県立大学経済学部の教授に着任し、教育・研究活動にも従事しました。

官僚出身者として、その後政治の世界に足を踏み入れることになります。2016年（平成28年）、第24回参議院議員通常選挙の宮崎県選挙区における自民党県連の候補者公募に挑戦しましたが、残念ながら候補として選ばれることはありませんでした。同年7月に行われた参院選には、民進党と社民党の推薦を受け、無所属候補として出馬しましたが、当選には至りませんでした。

参院選での挑戦を経て、故郷である延岡市の市政を担うことを志します。2017年（平成29年）1月27日、翌年に予定されていた延岡市長選挙への立候補を正式に表明しました。

そして、2018年（平成30年）1月28日に執行された延岡市長選挙に臨みました。この選挙では、現職の首藤正治市長から事実上の後継指名を受け、自民党延岡支部、公明党、民進党、連合宮崎など500を超える多数の団体からの推薦を得て組織的な選挙戦を展開した元県職員の永山英也候補と激しく争いました。多くの支持を得た永山候補に対し、読谷山氏は567票差という僅差ながらこれを制し、初当選を果たしました。選挙の当日有権者数は104,500人で、最終投票率は49.68%でした。初当選を受けて、同年2月26日に正式に延岡市長に就任しました。

2022年（令和4年）1月23日に行われた次の延岡市長選挙では、自民党・公明党の推薦を受けた元県議の内田理佐候補を退けて再選を果たし、2期目を務めることになりました。この選挙の当日有権者数は100,444人で、最終投票率は55.98%と前回より6.3ポイント増加しました。

市長として、市政運営において様々な施策を推進しています。特に注目される取り組みの一つとして、性的少数者への配慮が挙げられます。2021年（令和3年）3月25日には、LGBTなどの性的少数者のカップルを公的に認める「パートナーシップ宣誓制度」の導入を発表しました。この制度は同年4月26日から施行され、延岡市は九州地方でも比較的早期にこの制度を導入した自治体の一つとなりました。制度開始を記念し、同年4月26日から5月5日まで、市のシンボルである延岡城跡城山公園の三階櫓台石垣をレインボーカラーにライトアップし、多様性への理解と支援を示すメッセージを発信しました。

総務官僚としての豊富な行政経験と、故郷延岡への強い思いを胸に、市民生活の向上と地域社会の発展を目指して市政を担っています。

もう一度検索