諏訪大社七不思議

諏訪大社七不思議とは

諏訪大社七不思議とは、長野県にある諏訪大社に伝わる七つの不思議な現象や出来事を指します。一般的に七不思議というと怪談を想像しがちですが、諏訪大社の七不思議は、あくまでも奇妙な現象や事柄を扱ったもので、怪談とは異なります。諏訪大社の神事や行事に関わるものが多く、その多くは自然現象や伝承に基づいた興味深い内容です。諏訪大社は上社と下社に分かれており、それぞれに独自の七不思議が存在します。そのため、重複を含めると全部で11の不思議な話が語り継がれています。

諏訪大社七不思議の概要

諏訪大社の七不思議は、主に神事や行事に関連した不思議な現象を指します。諏訪大社の神事は多岐にわたり、その奇異さでも知られています。中には、蛙狩神事のように行事そのものを指すものや、御神渡のように科学的に説明できるものも含まれます。以下に、一般的に知られている七不思議と、上社・下社それぞれの伝承について詳しく解説します。

上社 (かみしゃ) の七不思議

1. 元朝の蛙狩り：
蛙狩神事の際、御手洗川の氷を割ると必ず2、3匹のカエルが現れるという不思議な現象です。この現象は、蛙狩神事そのものを指すこともあります。
2. 神野の耳裂け鹿：
御頭祭で神前に75頭の鹿の頭を供える際、毎年必ず1頭は耳の裂けた鹿がいるという伝承です。
3. 葛井の清池：
葛井神社（茅野市）の池に、上社で1年間使用した道具や供物を大晦日の夜に沈めると、元旦には遠州（静岡県）の佐奈岐池に浮き上がると言われています。また、この池には片目の大魚が主として住んでいるという伝説も残っています。
4. 宝殿の天滴：
どんなに晴天が続いても、上社宝殿の屋根の穴から1日に3滴の水滴が落ちてくるという現象です。日照りの際には、この水滴を青竹に入れて雨乞いをすると必ず雨が降ると伝えられています。
5. 御神渡：
諏訪湖が全面結氷した際に、湖面にできる氷の隆起現象を指します。この現象は科学的に説明できるものの、古くから神の業とされてきました。
6. 御作田の早稲：
藤島社（諏訪市中洲）の御作田では、6月30日に田植えをしても7月下旬には収穫できたという伝承があります。6月30日の田植え神事そのものを指すこともあります。下社とは異なる伝承です。
7. 穂屋野の三光：
御射山祭の当日には、必ず太陽・月・星の光が同時に見えるという不思議な現象です。

下社 (しもしゃ) の七不思議

1. 根入杉：
秋宮境内にある大杉で、丑三つ時になると枝を垂らして鼾をかいて寝るという伝説があります。
2. 湯口の清濁：
八坂刀売命が下社に移る際、化粧用の湯を含ませた綿を置いた場所から温泉が湧き出したという伝承です。これが現在の「下諏訪温泉」の起源とされています。この湯は、邪悪な人が入ると湯口が濁ると伝えられています。
3. 五穀の筒粥：
春宮境内筒粥殿で行われる行事で、1月14日から15日にかけて炊いた小豆粥で1年の吉兆を占います。
4. 浮島：
度々氾濫した砥川にあって、決して土が流れて無くならなかった島のことを指します。
5. 御神渡：
上社と同様に、諏訪湖の氷の隆起現象を指します。
6. 御作田の早稲：
御作田社における上社と同様の伝承です。
7. 穂屋野の三光:
上社と同様の伝承です。

関連項目

* 七不思議


諏訪大社の七不思議は、単なる奇妙な話としてだけでなく、諏訪の歴史や文化、そして人々の信仰心を深く理解するための重要な要素と言えるでしょう。

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