諸星大二郎

諸星大二郎（もろほし だいじろう）

概要

諸星大二郎（1949年7月6日生まれ）は、日本の著名な漫画家です。姓は「もろぼし」とも表記され、別名として「諸星義影」も使用しています。長野県北佐久郡軽井沢町に生まれ、東京の足立区で育ちました。

作風

諸星大二郎の作品は、古代の神話や伝説を題材にしたものが多く、日常の中に異様な存在を取り入れることで、常識や価値観に疑問を投げかける内容が特徴的です。彼は、わかりやすいメッセージを持つ寓話的な作品も得意としており、日常生活の不安や不条理を美しく描写します。彼の作品には、クトゥルー神話からの影響が見受けられることもあり、深い謎と独特の雰囲気を醸し出しています。

重い印象を与える伝奇作品に加え、軽妙なユーモアを含んだ『ど次元世界物語』などの不条理な作品も数多く発表しています。最近では、『栞と紙魚子』シリーズという少女漫画も人気を集めており、グロテスクさとユーモアが絶妙に組み合わさっています。彼はSF作品の先駆者である星野之宣と友好関係を築いており、互いに影響を与え合っています。

経歴

彼は東京都立江北高校を卒業後、東京都電気研究所で公務員として3年間勤めました。1970年には、漫画雑誌『COM』で「硬貨を入れてからボタンを押してください」という作品が読者投稿コーナーで佳作を受賞し、同年12月号に掲載された「ジュン子・恐喝」で正式に漫画家デビューを果たしました。

その後、『COM』や『漫画アクション』など様々な雑誌に作品を発表し、1974年には『生物都市』で手塚賞に入選。これを機に、『週刊少年ジャンプ』で『妖怪ハンター』の連載が始まりました。次第に人気を集め、『暗黒神話』や『孔子暗黒伝』などの連載も続き、彼の地位が確立されていきました。特に1983年に始まった『西遊妖猿伝』は、彼の名を広めるきっかけとなり、2000年にはこの作品で手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞しています。

その後も2004年には小説集『キョウコのキョウは恐怖の恐』を出版し、2007年には『蜘蛛の糸は必ず切れる』を刊行しました。2020年にはデビュー50周年を記念した展覧会が全国巡回し、2021年には記念トリビュートも発刊されました。

エピソード

『生物都市』の手塚賞入選が決まった際、選考委員たちはその面白さに驚き、無名の新人とは思えない品質に評価を固めました。SF作家の筒井康隆がこの作品の解説を書いた際には、その選考過程を詳述しています。

諸星は、独自の画風からアシスタントたちに「どうアシストすれば良いか分からない」と言われてしまったエピソードも持保っています。また、他の著名人の作品にも影響を与えており、細野晴臣の楽曲「THE MADMEN」も彼の作品を元にしたとされています。

2000年代以降は、彼に関する研究書が出版され、インタビューやトークイベントにも頻繁に登場。最近のメディア出演としては、2020年の『浦沢直樹の漫勉neo』があります。

受賞歴

• - 1974年：第7回手塚賞入選（『生物都市』）
• - 1992年：第21回日本[[漫画家協会賞]]優秀賞（『僕とフリオと校庭で』、他）
• - 2000年：第4回手塚治虫文化賞マンガ大賞（『西遊妖猿伝』）
• - 2018年：第47回日本[[漫画家協会賞]]コミック部門大賞『諸星大二郎劇場』

作品リスト

諸星大二郎はその多彩な作品群により、漫画界での地位を確立しています。代表作には、『暗黒神話』『西遊妖猿伝』『栞と紙魚子』などがある。また近年の活動も注目されており、新たな表現に挑戦し続ける姿勢が多くのファンに支持されています。

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