謎の円盤UFO

謎の円盤UFO（UFO）

『謎の円盤UFO』は、1970年から1971年にかけて日本テレビ系列で放送されたSF特撮ドラマです。制作はイギリスのセンチュリー21プロダクションで、宇宙人の地球侵略を阻止するために立ち上がる政府の秘密組織SHADO（シャドー）の戦いを描いています。この作品は「UFO」という言葉を一般に広める先駆的な役割も果たしました。

作品概要

このドラマは、地球外からの侵略者である宇宙人との戦いをシリアスかつ緊迫感のあるタッチで描写しています。SHADOの司令官ストレイカー大佐が中心となり、様々な仲間と共に異星人と戦う姿が、一話完結で全26話にわたって展開されます。特撮の先駆者であるAPフィルムズの後続にあたり、これまでの人形劇作品とは異なり、俳優を起用した実写ドラマであることが特徴です。様々なメカが登場し、それぞれが明確な役割を持つ設定は、ジェリー・アンダーソンの作品のスタイルを受け継いでいます。

時代設定と物語の背景

本作の物語は、放送当時の近未来である1980年代を舞台にしています。SHADOは、ロンドンの地下に本部を持ち、異星人の侵入を秘密裏に監視し、阻止するための活動を行います。エド・ストレイカー大佐は、表向きには映画会社の専務として行動しながら、実は地球を守るための作戦を指揮しています。宇宙人の脅威が広がる中、民間人のパニックを防ぐために、SHADOはその活動を秘密にする必要があります。

メカと防衛システム

SHADOの防衛システムは三層構造になっており、最初の防衛線は宇宙に配置されたコンピュータ偵察衛星と月面基地からなるムーンベースです。ミサイルを搭載した迎撃機「インターセプター」は、3機編隊で宇宙からの侵入者を迎え撃つ役割を果たします。二次的な防衛網として、潜水艦と戦闘機が組み合わさった「スカイダイバー」が存在し、地球の大気圏内での迎撃を担当します。最後の防衛手段として、「シャドーモービル」が用意されており、宇宙人が地上に降り立った際にはこれで対応します。

宇宙人の謎

宇宙人の目的や背景ははっきりとわからないものの、彼らは地球人の身体パーツを求めているという説があります。肉体の状態は衰えているため、地球の生命体を利用しようと策動しているのです。ドラマ内では、宇宙人が人間に精神を乗り移らせる事件や、他の地球人を改造するための実験などが描かれています。彼らの持つ液体換気法という技術は、制作当時においても注目されていました。

日本における放送と影響

日本で放送された際には、時系列が大きく前後する放送順があり、物語の理解に困難を与えた部分もありました。オリジナルの作品とは違った内容の補完やカットが行われ、視聴者は放送されるエピソードの前後関係を理解しにくくなっていました。それでも、視聴者から高い評価を得ることになり、特に音楽やメカのデザインに注目が集まりました。

現在の再評価

本作は放送終了後も長い年月を経て再評価されています。DVDやインタラクティブムービーとして新しい形で公開されるなど、今なお、多くのファンに親しまれている作品です。『謎の円盤UFO』は、SFドラマの金字塔として、今後も多くの人々に愛され続けることでしょう。

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