謝成

謝成（しゃ せい）は、生年不詳ながら1394年に没した、元末から明初の時代を生きた軍人です。現在の安徽省鳳陽県にあたる濠州の出身で、明朝の初代皇帝である朱元璋に仕え、その創業を支えた功臣の一人として知られています。

彼の武将としてのキャリアは、1353年に定遠攻略に参加したことに始まります。この時、24将の一人として名を連ね、滁州や和州の攻略戦にも参加しました。さらに集慶を攻略して総管に任じられ、寧国や婺州を攻略して管軍千戸に進むなど、着実に地位を上げていきました。

1363年には、明朝の命運を左右した鄱陽湖の戦いにも参戦し、武昌攻略にも貢献しました。その後も、蘇州や湖州の攻略にも加わり、指揮僉事に昇進するなど、その武勇は高く評価されました。1368年には、明朝による北伐にも参加し、大都の攻略にも貢献。さらに、慶陽や定西を攻め、都督僉事や晋王府相といった要職を歴任しました。また、沐英に従い、朶甘を攻めて乞失迦を降伏させ、洮州に拠る18の部族を服属させるなど、その活躍はめざましいものでした。

その功績が認められ、1380年には永平侯に封じられ、2千石の禄を賜り、指揮使に任じられました。しかし、1387年には張温と共に納哈出を追討した後、応天に帰還しましたが、その後の1394年には罪を得て失脚し、屋敷や田畑は没収されてしまいました。

謝成は、その生涯を通じて、元末の混乱期から明朝の建国、そしてその初期の安定に大きく貢献した人物です。数々の戦でその武勇を発揮し、朱元璋の天下統一を支えた功臣の一人でありながら、晩年は不遇な結末を迎えました。彼の人生は、激動の時代を生きた武将の栄光と挫折を描き出しており、歴史を学ぶ上で重要な教訓を与えてくれます。

参考文献

『明史』巻132　列伝第20

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